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第58話

ねぼすけ
2,293
2020/11/28 08:58
レイside
それから1ヶ月後
俺はいつものようにあなたの病室に顔を出す
相変わらず、すやすや寝ているあなたをそっと見ながら窓辺に行く
窓の外の桜のつぼみは開花し、ピンクに色付いている
レイ
レイ
おいあなた…もう俺達2年生だぞ
そういえば…と思い出す
1ヶ月後にはあなたの誕生日
もうそんな時期かと少し驚く
俺は病室の窓を開ける
春の暖かい風の中に桜の微かな香りが混じり、病室に広がる
その時後ろから微かな物音がして振り向く
そこには















(なまえ)
あなた
んん…あれ、レイ?
不思議そうな顔で上半身を起こすあなたがいた
俺の体は硬直する
次の瞬間、あなたに駆け寄りすっかり痩せた体を抱き締める
(なまえ)
あなた
ど、ど、どうしたの!?
びっくりしてされるがままのあなた
生きている
そう感じると頬から温かいものが零れる
(なまえ)
あなた
レイ?
戸惑いながらも抱き締め返すあなた
レイ
レイ
ほんとにっ…どんだけ心配かけるんだよ…
涙はボロボロと溢れて止まらない









レイ
レイ
あなたのねぼすけ…

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