レイside
バタバタと足音をたてながらエマとノーマンが駆け足で来る
ノーマンの問いに俺は顔を伏せる
あなたが観覧車で倒れた後__
俺は急いで観覧車の緊急ボタンを押して状況をスタッフさんに説明する
観覧車を降りるとすぐに救急車が到着した
俺は一緒に救急車に乗り、病院に着くとあなたは検査室へ行ってしまった
俺はママとエマ達に連絡を入れた
俺はそっと奥の扉を見やる
扉の上のランプは「検査中」と書かれ赤く光っている
かれこれ2時間待っているが、一向に出てくる気配がない
俺は唇を噛み締める
ママの声で顔を上げる
ママの顔は見たこともないぐらい真っ青だった
ママが俺の肩を掴む
ママはそっと俺の肩から手を離す
俺達の間に沈黙が下りる
その空気を破るように奥の扉が開く
真っ白な白衣に身を包んだ男性が出てくる
俺は男性の姿を見た瞬間椅子から立ち上がる
医者は目元を少し緩ませて俺をたしなめる
俺は少しほっとする
医者はママと向き合う
少し小首を傾げながら医者についていく
それからママは俺達を振り返り、「あなた達は先に帰ってなさい」と言って部屋に入って行く
取り残される俺達
2人は俺の手を握るが少し震えている
俺達は病院を後にした
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。