第10話

組み分け
1,464
2020/03/09 03:00
如何にも逆らわない方が良さそうな人だ。

マクゴナガルと名乗ったその魔女は、だだっ広い玄関ホールに入り、一年生を引き連れて、脇の狭い空き部屋に集められている。皆緊張しているようだ。

いきなり、ゴーストが通った。

太った修道士「ほぉ、一年生かね?入学おめでとう。ハッフルパフに来れると良いの。わしはそこのゴーストじゃからな。」

厳しい声がした。

マクゴナガル先生「行きますよ!一列に並んで着いてきなさい。」

またもや最後尾で並ぶ。



大広間は綺麗だった。

ちらほらと(誰とは言わないが)見知った顔が見える。
蝋燭が何百何千と空中に浮かび、5つのテーブルを照らしている。
そのテーブルの上には金の皿とゴブレットが並び、天井は本当の空に見える様、魔法がかかっていた。

1番前に並んだ一年生の前に、マクゴナガル先生は椅子と帽子を置いた。

帽子が歌い出した。

長かったから要約すると、

「私が寮を選ぶ
グリフィンドールは勇気あり
ハッフルパフは正しく忠実
レイブンクローは賢く
スリザリンは狡猾」

ABC順に名前が呼ばれ始めた。

マクゴナガル先生「赤城 莉犬!」

莉犬くんが前に出て、椅子に座り帽子をかぶった。

帽子「グリフィンドール!」

マ「相川 まふ!」

帽「スリザリン!」

マ「黄木 累兎!」

帽「・・・レイブンクロー!」


どうやら、即決の時と、少し悩む時があるらしい。

マ「弓田 沙来!」

あ、沙来だ。
呼ばれた沙来は帽子をかぶる。

「うーむ・・・」

30秒ぐらい悩んで、ようやく帽子は

帽「グリフィンドール!」

と叫んだ。


マ「美戸影 あなた!」

あ、私だ。
大広間がざわめく。

まぁ、成績優秀、性格、器量よしの兄と姉を持てばそんなものか。

生徒の前で、私は帽子を被った。

帽子の低い声が聞こえてくる。

帽「ウーム・・・難しい、難しい・・・勇気も溢れ、才能もありあまっている。頭も良い、美戸影の者はみな面白い・・・さて、何処に入れたものかな。」

「(出来ればグリフィンドールで)」

帽「ほう?何故かね?」

「(1番鬱陶しいのが少ないから)」

帽「うむ、珍しいものだ・・・。スリザリン、グリフィンドール、どちらに入れるべきかね?スリザリンなら将来が、グリフィンドールならば君に足りないものが、それぞれ手に入るぞ?うむ、そうだな・・・やはり、いや、でも、よし、」

帽「グリフィンドール!」

わぁぁぁっと歓声がきこえ、私はグリフィンドールのテーブルにむかえいれられる。

こ「良かったね」

「ツンデレかよ」

坂「よっしゃ、あなたや!来れでうらさんに自慢出来るなぁ!」

「何の自慢よ」

沙「一緒でよかった。宮さんに言ったもの、あなたは私が護りますって。」

「宮姉・・・」


もしや、グリフィンドールも大変かもしれない。

プリ小説オーディオドラマ