第12話

1日目の朝食
1,296
2020/03/15 01:05
翌日、女子寮を出ると、元気な声がした。

坂「あなた、おはようっ!」

「朝から元気だね、おはよう、坂兄」
(あなたちゃんは特定の人に対しては対応が塩じゃないです)

沙来はまだ起きておらず、2人で肖像画の穴を出て、大広間へ向かう。
ホグワーツには一四二もの階段があり、広く壮大なもの、狭いガタガタ、真ん中あたりで毎回一段消えてしまう階段。

肖像画の人物も訪問し合い、ゴーストが触れるとヒヤリとする。
ポルターガイストのピーブズに出くわすと、それこそ厄介で、それよりも厄介なのが、管理人のアーガス・フィルチだった。

大広間に着くと、まだ一年生はほとんど来ていない。三、四年生がほとんどだ。迷って大広間に来れないのかもしれない。

「坂兄、一年生居ないね」

坂「へつにひひしはいへひーよ、はへよ。」
(別に気にしないでいーよ、食べよ)

沙「汚い。口にものを入れて喋るな。あなた、おはよう」

「あ、おはよう、沙来。珍しく早いね」

坂「沙来、凄いな。どうやってたどり着いたんや?」

やはり、一年生は迷うらしく、坂兄は驚いている。

沙「勘」

「さすが沙来だわ。」

喋りながらトーストを何枚か取り、大きなナプキンに包んだ。鞄にそれを入れたところで、嫌な予感がする。

そ「あなた〜おはよう。まふ知らない?」

な「あなたちゃん、おはよう。で、るぅとくん知らない?」

さ「あなた、おはよ。でさ、ジェルしらね?」

嫌な予感的中。

「知るかそんな奴。っていうか同じ寮でしょ、しかもジェル兄に関しては四年生だよね」

一蹴して、かぼちゃジュースをゴブレットに注ぐ。
トーストにマーマレードを塗り、食べようとしたが、グリフィンドール生に睨まれているそらるさんに掠め取られ、しぶしぶまた新しいトーストをとった。
(グリフィンドール生とスリザリン生は基本仲が悪いです)

沙「そろそろ行こうか、あなた。最初の授業は?」

「妖精の魔法」

沙「りょ。あ、みんなだ」

「おはよう、莉犬くん、るぅとくん、あと、まふ。」

り「どうしよ〜あなた、寝坊したぁ〜(´TωT`)」

ま「どうしよ〜どうしよ〜っ!」

る「僕は食べました。宮さんに頂いたんですよ。」

「るぅとくん、宮姉にもらったんだ。ねぇ、ころ兄は?」

り「まだ寝てるよ」

「そう、別に良いよ、寝かせときなよ。」

こ「よくないよっ!今起きたって!」

「ころ兄遅い」

沙「なんの茶番してるのあんたら。」

り「朝ごはんどうしよ」

ごそごそっと私は鞄の中に手を入れ、ナプキンに包んだトーストを渡した。

ま「え?食べていいの?」

「分けなよ」

安堵しているみんなを置いて、私らはさっさと妖精の魔法の教室へ向かった。

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