梨をくすぐると、クスクスと身をよじって、緑色の大きなドアの取っ手に変わる。
ほぅ、と感嘆のため息をついて、沙来は取っ手をひねった。
わたしはぽかーんとしている一年生組を振り返って言い放ち、身を翻して(ひるがえして)中に入る。
中に入ると、そこはだだっ広い厨房だった。
おかしな生き物が沢山働いている。
その中の1人が気づいて、キーキー声を上げた。
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ネーミングセンスについては突っ込まないでくださると嬉しいでございます
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顔いっぱいに笑顔をほころばせ、パタパタと近寄ってくる屋敷しもべ妖精を見て、なな兄が驚いた。
その間に厨房では、エクレアやドーナツなど、色んなお菓子がならぶ小さなテーブルが部屋の奥の暖炉の前に出現していた。
5人ぐらいがわっと私の周りに来て、案内してくれる。
あっちで仲良く(?)喋っているラニ(この子も知り合い)とそらる兄を引っ張って来たまふまふと、ツイストドーナツを食べ始めた莉犬くん、さくらんぼのパイを味見させてもらっているさと兄、沙来はジィと話しこんでいて、てんやわんやでガヤガヤしている。
下の会話がその様子。
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きみ、もしや美戸影 宮の妹?
そんな声が聞こえて、私は振り向いた。
半透明な姿が隣に座っていた。
それはまだ少年だった。2年生ぐらいだろうか。いや、1年生かもしれない。
私達は、必要最低限の言葉を交わした。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!