ずけずけと沙来が言う。
ぱっと振り向くと、スネイプ先生がいた。せせら笑いを顔にうかべている。
基本、他人の感情に疎い私は何も思わないが、沙来の中でスネイプ教授が嫌な奴のグループに分けられたことは確かである。
せせら笑ってスネイプは教壇にたった。
まずは出席をとる。
私と沙来のところで、嫌な笑いが出た気がするが、多分気のせい。
干イラクサをはかり、蛇の牙を砕き、角ナメクジを茹でて、私と沙来のグループは一番最初に出来た。
と、私の隣の莉犬くんの大鍋が破裂した。間一髪、莉犬くんの周りの人達は避難したが、逃げ遅れた私に完成していない薬がかかってきた。
杖を振って薬を消し、何とか免れたものの、なんだか全員の目線がこっちに来ている。
声を取り戻したスネイプが莉犬くんに怒鳴る。
身をすくませて謝る莉犬くん。その時、授業終わりのベルがなった。
スネイプは舌打ちをして鍋を元に戻す。
そして、その次の妖精の魔法と闇の魔術に対する防衛術をやり過ごして、昼食へ向かった。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!