現在、私はあめ君、光、響君と
映画を、観てる最中です。
みんなで、観るから
アクションものと、恋愛ものは
避けて…ホラーものを、観ることに
なったのだけど…
いや…嘘でしょ
初めから、もうクライマックスぐらい
怖いんですけど…
どうしよう…
せっかく、映画を一緒に観てくれて
るのに、こんなに怖がってたら
迷惑だよね…
ヤバイ、ヤバイ…
頭が真っ白になる。
怖い、映画怖いよ…でも、あめ君と
一緒にいたい。
あめ君は
静かに、私の目に手を、被せる。
ニコッと、笑ったあめ君は、
再び映画を、観はじめた。
見えない…見えないけど…
見えない分、なんか…あめ君の
手の体温を感じて、なんとも
こそばゆい感覚に、襲われる。
嬉しいけど、恥ずかしい////
多分…後ろの席に座ってる光達が
今頃、ニヤケてるに違いない…
映画館…の恐るべき
ドキドキパワ〜…なんちゃって…
1時間半ちかく、あった映画が
終わり外に出た私たち。
光は、ふふと
余裕たっぷりの笑みをこぼす。
光は、ドンと持っていたバックで
響君にぶつけると、
「余計なこと言うな!」
と、言って耳まで赤くしていたのだった。
ガシッと、光の肩に手を
回すと響君は、得意げになって喋った。
響君…彼は
本当に学習しない人だ。
でも、光に怒られてるを
嫌がってるんじゃなくて…
むしろ、ちょっと嬉しそうに見える
のは、私だけなのかな?
午前になり…映画も見たし
特にやることは、ないのだけど…
その時…私のスマホが
鳴った。
「♫♪♫♫♪ ♫♪♫♫ ♫」
ピッ…
ピッ…
スマホを、切ると
みんなが私を、見つめていた。
光と、響君は
風のように姿を、消した。
ああ、ありがとう
あめ君と、2人きりに
してくれたんだね…
でも、弟を迎えに一緒に
行ってもらうなんて…
とても、頼めないよ…
あめ君は、コクリと頷いた。
嘘でしょおお!
映画まで、一緒に観て
その後は、保育所までついて来て
くれるの?
私の、土曜日が…ただの土曜日じゃ
なくなりつつある。
私と、あめ君は
駆け足で真央のいる、桃組保育所へと
向かったのであった。
そして、時間が経ち…
私は、弟…真央の手を
握ると家に帰るため歩き出した。
真央が、指差した方向には、
あめ君が歩いていた。
ヤバイ…
こんなの、はたから見れば
家族連れに見えなくもない…
私は、要らぬ妄想を
膨らませ…口元が、ニヤける。
あめ君は、今…
ドラックストアで買った袋を
持ってくれている。
これ以上…何かさせるわけには…
ガシッ、ガシッととあめ君に、よじ登った
真央は、満足げにおんぶを
してもらい、大満足の様子だ。
私の、何かが
壊れつつある。
最高だよ…おんぶ。
うん、あめ君が真央のパパに
見えるよ。
ついに、マンション前に着いた。
これから、真央に薬を飲ませたり
着替えさせたり…
やることは、多いが…あめ君が、
一緒にいると思うと…
なんだか、真央を拝みたくなってくる。
さあ…行こう
そして、私たち3人は
マンションの中に入って行った。
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。
登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。