先輩に振られた日から
1日たった。
つまり・・・次の日になった。
教室に、入ると
昨日と教室の雰囲気が、変わって
いたように感じた。
クラスメート達からの
視線が、トゲトゲしく感じる。
みんな、私の顔を見ると、コソコソ
噂話を始めた。
私に、近づいてきたのは
親友の光だ。
何やら、眉間にシワを寄せて
少し怒った表情をしている。
光に、制服の襟を引っ張られて、
廊下の端に追いやられる。
光は、ハアと
重いため息を、つきながら
私に教えてくれた。
昨日、私が広田先輩に
告白したことを、誰かがみんなに、
報告して振られたことを、メールで
あちこちに拡散したことを。
振られたまでは、良かった
よくないけど・・・・
まさか、誰かに見られてたなんて。
しかも、告白したことも
振られたことも、もうみんなが
知ってるなんて・・・
この後、教室に戻りたく
ないよ。
恋をするって、こんな怖い
ことだったの?
先輩は、悪くない。
私だって、そんなに悪いことを
したとは、思えない・・・
何で、こんなことに
なっちゃったの・・・・
せっかく、前を向うと思った
ばかりだったのに・・・
光を、ギュウウっと
抱きしめて、感謝の気持ちを
伝えると、光は、照れくさそうに
笑った。
口では、「任せて」なんて
大口、たたいたけど、
足が、ガクガク震える。
みんなの視線が、怖い。
忘れてた、あめ君も
いたんだ。
私には、2人も仲間が
いたんだった。
あめ君・・・
べつに、私を迎えに来たとかじゃなくて
トイレに行きたかった、だけだった
んだね・・・
笑ったおかげで、その後は
教室にすんなり戻れた。
なんだかんだで、あめ君にも
助けられてるのかなー
私は・・・
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!