第3話

♯3 拡散された失恋
287
2019/12/28 09:39
先輩に振られた日から
1日たった。

つまり・・・次の日になった。
羽島 あいの
羽島 あいの
おはよー
教室に、入ると
昨日と教室の雰囲気が、変わって
いたように感じた。
男子高生
男子高生
あ、羽島だ・・・
羽島 あいの
羽島 あいの
女子高生
女子高生
ほらね
やっぱり・・・
羽島 あいの
羽島 あいの
みんな?
クラスメート達からの
視線が、トゲトゲしく感じる。

みんな、私の顔を見ると、コソコソ
噂話を始めた。
小枝 光
小枝 光
ちょっと!あいの
これは、どういう事なの?
私に、近づいてきたのは
親友のひかりだ。

何やら、眉間にシワを寄せて
少し怒った表情をしている。
羽島 あいの
羽島 あいの
どういう事って、何が?
小枝 光
小枝 光
メール!見なかったの?
ちょっと来て
羽島 あいの
羽島 あいの
あっ、ちょっと
急にどうしたの?光!!
光に、制服の襟を引っ張られて、
廊下の端に追いやられる。
羽島 あいの
羽島 あいの
本当に、どうしたの?
なんでみんな私の方、ジロジロ
見てるわけ?
小枝 光
小枝 光
ハア・・・
あんたって、本当にバカな子
羽島 あいの
羽島 あいの
どういう事?
光は、ハアと
重いため息を、つきながら
私に教えてくれた。
昨日、私が広田先輩に
告白したことを、誰かがみんなに、

報告して振られたことを、メールで
あちこちに拡散したことを。
小枝 光
小枝 光
つまり、あんたの
告白の件を、みんな知ってて
羽島 あいの
羽島 あいの
ええ!!
小枝 光
小枝 光
そして、振られたことも
全部知ってるって事。
羽島 あいの
羽島 あいの
どうしてそんな事を・・・
小枝 光
小枝 光
知らないよ、でも
私がもし、拡散した犯人を
見つけたら、たたじゃおかないけどね
振られたまでは、良かった

よくないけど・・・・

まさか、誰かに見られてたなんて。
しかも、告白したことも

振られたことも、もうみんなが
知ってるなんて・・・

この後、教室に戻りたく
ないよ。
小枝 光
小枝 光
たぶん、広田先輩の事
好きだった奴が、拡散したんだろうね
羽島 あいの
羽島 あいの
何のために?
小枝 光
小枝 光
あいのが、先輩に気に入られてたの
知ってたから、嫌がらせとかじゃない?
羽島 あいの
羽島 あいの
先輩に、気に入られてなんて
いないよ?
羽島 あいの
羽島 あいの
気に入られてたんなら、どうして・・・
私は、先輩に振られたの?
小枝 光
小枝 光
先輩を見てて、わからない?
広田先輩、バスケで推薦すいせんとるって
言ってたらしいよ
羽島 あいの
羽島 あいの
推薦?
小枝 光
小枝 光
だから、あいのの、告白を
断るしかなかったんだよ。
羽島 あいの
羽島 あいの
それじゃあ、先輩は・・・・
私のこと・・・
小枝 光
小枝 光
だから、そいつは
あいのが、許せなかった。 
だから、振られたことを、大げさに
拡散したんだよ
小枝 光
小枝 光
先輩が、あいのの
所に、もう近づけないように・・・
羽島 あいの
羽島 あいの
その拡散した子も怖いけど、
光の推理力も怖いよ!
小枝 光
小枝 光
だって、私
推理小説が、好きだから
羽島 あいの
羽島 あいの
答えになってないよ!
もう、私は・・・どうすればいいの
恋をするって、こんな怖い
ことだったの?

先輩は、悪くない。

私だって、そんなに悪いことを
したとは、思えない・・・

何で、こんなことに
なっちゃったの・・・・

せっかく、前を向うと思った
ばかりだったのに・・・
小枝 光
小枝 光
大丈夫、私がそばに
ついてるから!
羽島 あいの
羽島 あいの
光、ありがとう
光を、ギュウウっと
抱きしめて、感謝の気持ちを

伝えると、光は、照れくさそうに
笑った。
小枝 光
小枝 光
それじゃあ、そろそろ
1限目が、始まるから、教室に
戻ろう?
羽島 あいの
羽島 あいの
うん、任せて!
口では、「任せて」なんて
大口、たたいたけど、

足が、ガクガク震える。
みんなの視線が、怖い。
七池 あめ
七池 あめ
羽島さん・・・
羽島 あいの
羽島 あいの
あめ君・・・
忘れてた、あめ君も
いたんだ。

私には、2人も仲間が
いたんだった。
羽島 あいの
羽島 あいの
まさか、迎えに
来てくれたの?
七池 あめ
七池 あめ
いや、その
七池 あめ
七池 あめ
お手洗いに、行くので
どけてほしい・・・
羽島 あいの
羽島 あいの
うん、そっか〜
ごめん
小枝 光
小枝 光
あれ?
あいの、あんな奴と、知り合いだったの
羽島 あいの
羽島 あいの
うん、まあね!
アハハハ
あめ君・・・

べつに、私を迎えに来たとかじゃなくて
トイレに行きたかった、だけだった
んだね・・・
笑ったおかげで、その後は
教室にすんなり戻れた。

なんだかんだで、あめ君にも
助けられてるのかなー

私は・・・

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