ガチャ
鍵を、開けると真っ先に
真央が、家の中に入っていく。
私は、やれやれと
弟の靴を、直すと自分も
家の中に入っていく。
私は、あめ君から
袋を受け取ると、台所に運んだ。
真央に急かされて、あめ君も
家に上がる。
あ、そっか…
他人の家に、いきなり来たら
気まずいよね…
真央に、引っ張られて
あめ君は、真央の部屋に姿を消した。
私は、子供用のタンスから
真央のパジャマを、出したり
スポーツドリンク、冷えピタを
用意することにした。
その頃…真央の部屋
トントン
私は、真央に鼻を
かませると、服を脱がせ
パジャマに着替えさせる。
その後、布団に入りたくない
真央をなだめながら、あめ君が
持ってきた体温計で、熱を
はかると、37.2度と微熱だった。
元気そうに、見えた真央も
やはり、少し熱があるのは
確かで、鼻水は止まらなくなって
きたし、クシャミも多い。
少し、心配になってきたけど、
あめ君も側にいてくれるから…
少し安心できた。
いつも過ごしてる、自分の家の中に
あめ君がいるなんて…ちょっと
不思議。あめ君が、来るんだったら
リビングとか、少し片付けて
おくべきだった…
なんだろう…感謝で
心がいっぱいになる。
気づけば、私は
自然と笑顔になっていた。
そんなこと…言われたら
嬉しくて…どうしようもなくなってしまう
パタン…
静かに、閉まる玄関の音。
私は、声を出さずに、その場で
幸せを噛み締める。
あめ君と出会えて…
良かった。
真央の元へ、戻り
頬に手を当てる。
気がつけば…私も
そのまま眠りについていた。
ガチャガチャ…
目を覚ました時、時計は
5時半を過ぎていた。
スカートのシワを、伸ばし
立ち上がる。
真央は、目をゴシゴシと
こすりながら、布団から出る。
真央は、ギュウッと
顔をしかめて、今にも泣きそうになる。
真央は、お母さんの手を
払うと、私の方に駆け寄って来た。
真央は、グスッとベソを
かきはじめた…
そして、お母さんからの
物凄い視線を感じる。
お母さんが、クスクスと
笑っている。
なんか、イヤな予感しかしない…
・・・・・・
お母さん…鋭い、鋭いよ…
言った…言っちゃった。
顔が、ジュ〜っと、熱くなる。
この後、お母さんに
根掘り葉掘り聞かれて
すごく疲れた…
でも、お母さんには、知られちゃた
けど、私が、あめ君と一緒にいても
これで、わけを話せるよね?
「今度、ぜひお顔が見たいわ♡」なんて
お母さんは、言うけど…
お母さんを、あめ君を合わせたら
話が止まらなくなるんじゃないかと
思って怖い…
ピッ
家族公認って…
でも、そうだったら嬉しいな…
その夜、私は今日起きた
出来事を思い出しながら…ウトウトと
眠りについたのだった。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!
転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。