第52話

🐨
2,804
2021/04/28 12:02
ガチャッ、














DREAMの楽屋前まで来ると人が慌ただしく、楽屋の中を行ったり来たりしているのがわかった。




それは多分、ジェミンが倒れたから…













ロンジュン
ロンジュン
今、チソンがついてるから……
ロンジュン
ロンジュン
後はよろしく、。
貴女
貴女
うん、…












私にどうにか出来るわけない、て思ったけど



どうにかなるかなんて段階じゃなくて、どうにかしなきゃいけないんだ。
















ガチャッ、
貴女
貴女
、!!






楽屋に入ると、まず目に飛び込んできたのはチソンで


私が来たのを確認すると、
チソン
ヌナ、後は任せますね(小声)








と言って彼も楽屋から出ていった。



それ以降、楽屋にスタッフさんが入ってくることもメンバーが入ってくることもパタリとやんだ。
















つまり、2人だけ。






楽屋は6人いるからなのか広くて右奥にも続いているようだった。

多分ジェミンはそこにいる。
















そう思って、ひょこっと奥を覗いてみた。




貴女
貴女
あ、……
ジェミン
ジェミン
え、…?











ただ、一瞬…一瞬覗いただけなのにジェミンと目が合った。



咄嗟にまた隠れてしまったけど…


ジェミン
ジェミン
え、…待って、!待ってあなた…!っいて



私を呼ぶ声がしたと思ったらバタッと聞こえて、
貴女
貴女
なに、…やってんの、、








ソファから落ちてるジェミンが居た。




もちろん手を差し伸べようと右手を動かしたけれど、ジェミンに手を払われてしまう。



















ジェミン
ジェミン
どうせジェノが無理言って連れてきたんでしょ
ジェミン
ジェミン
俺、大丈夫だから早く戻りなよ








その言い方は凄くトゲがあって、いかにも私を邪魔者かのように言った。




いつもの私ならこの時点で帰ってた。これ以上自分が辛くなるのが怖くて。
















でも、今日は違うもんね






私はジェミンの前にしゃがみこんで、
貴女
貴女
帰らないよ


と言った。
貴女
貴女
ロンジュンが呼びに来たの。
貴女
貴女
この間もずっと私の事説得してくれた
貴女
貴女
私、有名になったよ。熱愛しても事務所は気にも止めないくらい人気になったよ、?






















ジェミン
ジェミン
な、んで…




その時の顔だけ一瞬、昔のジェミンに見えた。


まだ茶髪だったあの頃。













彼の目からは涙が流れていて私の言葉が嬉しかったのか悲しかったのかさえも分からない。



ジェミン
ジェミン
……っ俺はあなたに相応しくないでしょっ…?
ジェミン
ジェミン
迎えに行けなかったしっ、



















ジェミンのその泣き顔を見て頭にきた。


は?何言ってんのこいつって。






貴女
貴女
はぁ?そもそもね!?私の事務所が厳しいせいで私たち別れたんでしょ!?
貴女
貴女
私が居ないと色んな女に手出して、挙句の果てに体調不良で倒れたぁ!?
貴女
貴女
それにさ、ジェミンが私に相応しくないなら私もジェミンに相応しくねぇってば!!















1回の息継ぎで全てを言いきった。



今までの不満も、今思ったことも全部。それほど頭にきたのかもしれない。























でも、ここ最近本気で怒ることもなかったかもしれないから少し新鮮な気もする。






ジェミン
ジェミン
あなた…、じゃあ俺かっこいい?




多分、普通の人ならキレる。



このタイミング、この雰囲気の中ナルシストをぶちかましてきてんだから















貴女
貴女
ジェミンはね、顔だけなら完璧
ジェミン
ジェミン
なにそれっ笑
ジェミン
ジェミン
あー、俺元気出たかもっ笑
ジェミン
ジェミン
ほら、おいで?
そう言ってジェミンは床の上に座り直すと私を手招きで膝の上に座るよう言ってくる。


ジェミンが私を膝の上に座らせる時は何かと甘えたい時。






だから、絶対ジェミンは今心を許してくれたんだよねっ?
貴女
貴女
あー、えっと…じゃあ





















貴女
貴女
ナ・ジェミン氏〜、もう1回私と付き合ってくれますか?


































ジェミン
ジェミン
当たり前じゃん俺の可愛いあなた♡







満面の笑みでそう答えたジェミンと私は4年ぶりのキスを交わした。




昔と変わらない、少し子供っぽいキス。




















もしかしたら、間違った道を元に戻る時戻りすぎて私たちは性格まで若返ってしまったんじゃないかってほどウブな気持ち。



でも、多分それは間違いじゃなくて…正解の道を辿る時また一緒に成長していけたらいいなって少し思ったの

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