私があからさまに暗い顔で部屋に戻るとジェミンは全てを察してくれたみたいで、
って聞いてくれた。
勿論私は仕事を優先しなければいけない。
あの厳しい実力主義の事務所のガールズグループなのだから。
ジェミンは精一杯の優しい顔で手を広げて私が抱きつくのを待ってる、。
大好きだよ、ジェミン。この世で1番。
私がジェミンにぎゅっと抱きつくとジェミンもぎゅっと抱きつき返してくれる。
暖かい。人の温かみがこんなにも安心できるんだ。
遠回しに、振って欲しいって言ったつもり。
でも、ジェミンは
ほんとに、勇気を出した。
1番口にしたくない言葉。
嫌でも事務所を選ばなければいけない自分の人生。
全ての元凶は、実力もあったのに顔も並以上なのに上の事務所に選ばれなかった私の運の悪さ。
どうせなら、仕事を選ぶんだねって軽蔑してくれますか?
あなたは私を嫌いになってくれますか?
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そう言ってジェミンと決めた2人だけのルール。
①お互いが人気になるまでよりを戻さない。
②お互い以外の恋人を作らない。
③音楽番組では無視しない。
④ずっと、好きでいること。
これは、BIGBANGのジヨン先輩が恋愛してもクビにならないほど大物になっているから、その事を見越してのこと。
私たちも人気になればある程度は許されるはず、そういう制約だから。
それまでのルール。
ここまでが私の高校の思い出。
そこからの高校の記憶はほとんど残っていない。
何故ならお互いにデビューしてさらに会わない日が続いて、高校制度の変更によって私達は高校を退学したから。
辛くなんてなかった。
最初はそりゃ辛くて心が毎日氷のように冷たくて早くジェミンの温かさで溶かして欲しかった。
でも、今は感覚が麻痺してるの
確かに熱は求めてるのにそれが誰のものなのかが分からないの
_____4年後 2020年1月。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。