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2021/02/06

第8話

失いたくないと思う日
田中 智樹
田中 智樹
───あ、兄ちゃん!お帰り!
古川 穂花
古川 穂花
お帰り!遅かったじゃない。どうかしたの?
何も知らない二人がカップ麺の容器を片手にもう片方に箸を持っていた。
五年間という時はあっという間だ。






もし、俺がいなくなったら、智樹はどうなるのだろう。







穂花は今いくつなのだろう。








あと約六年後、俺は消える。









そしたらこの二人は、どうなるのだろう
田中 智樹
田中 智樹
兄ちゃん......?
古川 穂花
古川 穂花
アンタどうしたの。つーか、北斗さんは?
三毛門 琉雨
三毛門 琉雨
......あ......北斗さんならもう......行っちゃったよ。
行きたいところが......あったんだって。
俺がそう言うと、二人はなんの疑いもせず「そうなんだ~」とうなずいた。
古川 穂花
古川 穂花
ねえ、これからどこ行く?
田中 智樹
田中 智樹
穂花の姉ちゃん、回復できたの?
古川 穂花
古川 穂花
もっちろん!女子ナメんなよ!
ふんっと力こぶしをつくった穂花は智樹と競い合いを始める。
......二人とも......いつの間にか大切な存在になったのだろうか。







変だな......俺、小さい頃から大切な人は兄と恭子さんだけだったのに。









出会った人全てが大切になる。








どこかで生きていることを信じて、旅を続ける。

ピタッ
三毛門 琉雨
三毛門 琉雨
うぇっ!?
古川 穂花
古川 穂花
うーん、熱はないみたいね~
穂花が俺の額にひんやりとした手を当てる。
田中 智樹
田中 智樹
兄ちゃん、具合悪くない?大丈夫?
二人は心配そうに俺の顔を覗き込む。
大丈夫。





いつかは別れの日はくる。






それまでこの二人を守り続けよう。







この二人の笑顔を、純粋さを、幸せを、
三毛門 琉雨
三毛門 琉雨
大丈夫。ありがとうね。二人とも。
俺は二人の頭に手を乗せ、優しく撫でる。








智樹は嬉しそうにしたが穂花は顔を火山のように赤くさせる。
古川 穂花
古川 穂花
バッカ!変態!
三毛門 琉雨
三毛門 琉雨
えぇっ!?そっちから触るのありなのに?
田中 智樹
田中 智樹
兄ちゃん大丈夫。穂花の姉ちゃん照れてるだけだから。
古川 穂花
古川 穂花
おいコラばらすな、このクソガキ~!
三毛門 琉雨
三毛門 琉雨
コラコラ、女の子がクソとか言わない。
田中 智樹
田中 智樹
やーい、姉ちゃんあっかんべー!
古川 穂花
古川 穂花
こーらー!!!
三毛門 琉雨
三毛門 琉雨
わっ、穂花落ち着いて!
騒がしいお昼時。





かすかに顔を隠す太陽。






あぁ、雨が降りそうだな。