第9話

hs
3,190
2023/01/09 15:23


「ねぇ、スニョア、
私がスニョアの事好きって言ったらどうする?」
hs「また〜!!冗談ばっか笑」
「わぁ〜、やっぱり見破られた?」
hs「やぁ、ちょっとは否定しよ??」
「流石、10年友達やってきただけあるね、スニョア」


幼馴染ならぬ腐れ縁のスニョア。

こんな感じで10年共にして今に至る。

スニョアはキラキラダンス部で私は立派な帰宅部。

今日もスニョアの部活が終わって

呼び出され、ラーメン屋でラーメンを啜ってる。


hs「でも、あなたがそんな乙女チックなこと聞くの
不自然だね?何か食べた?」
「私だって立派な乙女です。あと、何も食べてないわ」
hs「へぇ〜?乙女ね?」
「えぇ。」
hs「それしても腹減った、コンビニ行こ。」
「はぁ!?今、ラーメン食べたばっかりじゃん!」
hs「女と男の胃袋一緒にすんなっつーの。ほら、」


私の分も払ってくれて、

大きなカバンを背負ったスニョアは

ご馳走様でした!と大きな声を出す。

スニョアのいい所はこういうところだと思う。


「ねぇ〜、コンビニで何食べるの〜」
hs「ん〜、おにぎりとラーメン?」
「今食べたばっかりじゃん」
hs「味変味変、」


それでも嬉しそうに

目を細めて笑うスニョアは嫌いじゃない。

私まで、ホッコリするし、

楽しいなって思うから。

10年やってこれたのはそのおかげでもあるかもしれない。
10月秋真っ只中の夜。

最近肌寒くなってきた。

部活終わりのスニョアにとっては

この気候が過ごしやすいのかTシャツ1枚で居る。


「スニョア、寒くない?」
hs「うん。全く?」
「やぁ、あんた筋肉ついた?」


Tシャツの袖から見える 筋肉の付いた腕。

ベタベタと触った。

いつの間に!


hs「やぁ〜、俺の筋肉そんなに触れるのあなただけだぞ?」
「え?なんで」
hs「俺、最近部活行くと女の子から
手紙とかお菓子とか貰うんだぜ〜」


自慢げに話すスニョアの鼻の穴が少しだけ膨らむ。

え、聞いてない。

そんなこと知らなかった。

だから、最近荷物が多いのか。


「何、モテ期?」
hs「だな!!」


嬉しそうに笑ったスニョア。

スニョアになんかモテ期なんて来なくていい。

ふとそう思った。


hs「モテるって大変〜!」


偉そうに頭の後ろを手で摩っている。


「これのどこがいいんだか、」
hs「全てに決まってんじゃん?」
「こんなナルシスト絶対嫌。」
hs「わかんないよ〜、案外、俺のこと好きだったりして?」


いきなり、スニョアは私の肩を自分の方に寄せた。

勢いが良すぎたせいか、

よろけてしまってスニョアにもたれ掛かる。


「…わっ!!ちょっと、スニョア、、!」
hs「悪い悪い笑」


スニョアの腕の中に居るせいか、

距離はもちろん、声も近くなって

なぜだか、今、どきどきバクバクしてる。


「好きだったらどうなるのさ、」
hs「ん〜、あなただったらいいかも?」
「は!?」
hs「特別気を遣わなくても良いし、楽しいし?
断る条件無くない?」


女心をわかってないなぁ


「スニョンくん?あのね、恋愛っていうのは
お互いが好きっていう同じ気持ちを持っていないと
成り立たないの。分かる?」
hs「あ、そうか、?」


恋愛に関しては昔から無知で

よく女の子を泣かしてきた。
モテるくせに、いつも告白を断ってる。

どうしてだろうか。


「てか、スニョアなんで付き合わないの?」
hs「あれ、俺好きな人いるって言ってなかった?」
「は!?あんたどんな記憶してんの!聞いてない!」
hs「まじ?」


スニョアに好きな人だなんて、初耳だ。

動悸がする。
それと、何故か私が焦っている。

プリ小説オーディオドラマ