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2021/10/14

第10話

9話
あなた
……



田中たちと別れ、僕は正面玄関から出ようとしていた。
あなた
久しぶりに、体動かそうかなぁ



最近運動してないし。



公園に練習にでも行くかな……?



上履きと外履きを交換し、外に出る。
あなた
あ、猫だ



猫はこっちに気づくと、自分から擦り寄ってきた。



頭を撫でると、楽しそうに「ニャー」と声を出した。
あなた
かわいい……



顎のほうを撫でようとすると、首輪をしていないことに気づいた。



……野良かな?



学校の敷地に入ってくるんだもんな。



野良でも違和感はないか。
あなた
……お前、うち来るか?
にゃー!
あなた
そっかそっか
あなた
おいで!



返事をするように、猫は僕に飛びついてきた。
あなた
うぉっと
にゃ!
あなた
お前かわいいなぁ
ふにゃ!



なんかドヤ顔してるように見えるのは気のせいだろうか。
あれ……あなた?
あなた



ふと後ろから声が聞き覚えのある聞こえた。



この声……
あなた
東峰……先輩……?



そう言い振り向くと、やはり東峰先輩がいた。
東峰旭
……久しぶり!



東峰先輩が微笑む。
あなた
お、お久しぶり……です



東峰先輩と一対一で話すの……何ヶ月ぶりだろう。
東峰旭
……緊張しなくていいよ
東峰旭
俺怒ってないし笑
あなた
……あの、怒らないんですか?
東峰旭
うん



……まあ僕には怒られる権利もない、か。



これは失望されたかなぁ……。
東峰旭
怒るのは俺の役目じゃない
東峰旭
それに、俺だって逃げたしね
あなた
え……?



東峰先輩が……逃げた?
東峰旭
打つのが、怖かった
東峰旭
ブロックが怖かった
東峰旭
打ち抜いた景色が見えなかった
あなた
……先輩にも、そういうことあるんですか?
東峰旭
あるよ笑
東峰旭
俺だって人間だから
東峰旭
しかもメンタル弱いし……



そんなこと……そんなことない。



いざというときすごく頼りになる……エースじゃないですか。
あなた
……そんなことありません!!
あなた
東峰先輩は凄いです!
あなた
エースみたいにいつも決めてくれるし
あなた
かっこいいし
あなた
僕の……憧れです!
東峰旭
……
東峰旭
ありがとう
東峰旭
で、あなたはなんでバレーやめたの?
あなた
ッ……
あなた
絶対に……
あなた
絶対に越えられない壁を、目の当たりにしたからです
東峰旭
……そっか



東峰先輩は、それから何も言わず、しばらくの間沈黙が続いた。



その沈黙を破ったのは、僕の足元にいたこいつだった。
にゃー……
東峰旭
猫?
あなた
……どうした?お腹空いたか?
にゃ!
東峰旭
……じゃあ俺はもう部活行くよ
東峰旭
これ以上は大地に叱られるから笑
あなた
……はい笑



そうして、東峰先輩は僕に背を向けた。



その背中は、とても大きくて、頼もしくて、



そして、どこか寂しそうだった。
東峰旭
俺は、ずっと待ってるから
あなた
東峰旭
いつか、あなたと一緒に、全国へ行く
東峰旭
それが、今の俺の目標
あなた
ッ……



僕は、何も言うことが出来なかった。
東峰旭
それじゃ
あなた
……



僕は、どうするべきなんだろう。
にゃーお
あなた
……そうだね
あなた
まず家に行こうか