第12話

11話
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2021/12/27 04:09
あなた
ただいまー



玄関の扉を開け、猫を抱き抱える。
母さん
おかえりー……ってその猫ちゃんどうしたの?



早速リビングから顔を覗かせた母さんがこいつに気づいた。
あなた
野良っぽかったから連れてきた
あなた
うちに住まわせてもいい?
にゃー



母さんはこっちに近づいて、こいつを撫でる。
母さん
可愛いじゃない!
母さん
こんな可愛い子が野良なんて……
母さん
とりあえずお風呂でこの子洗ってきなさい!
母さん
話はそれから!



母さんは風呂場を指さしてそう言った。
あなた
はーい



これは……いいってことなのか……?
あなた
いくぞー
にゃ!


.



.



.
あなた
……お前やたらと細いな



シャワーの水をかけた途端一気に細くなったぞ……?



どうなってるんだろう……この毛。
あなた
猫は水嫌がるって聞いてたけど……
あなた
めっちゃ大人しいなお前 笑



嫌がるどころか気持ち良さそうだ……。
あなた
んじゃ洗うよ



そういうとこいつは頭を縦に振った。



言葉わかるのかこいつ……?


.



.



.
あなた
よし、綺麗になった
脱衣所へと出て、ドライヤーで乾かしてやる。



おぉ、フワフワに戻っていく……!



するとこいつは満足したように扉の隙間からリビングへと向かっていった。
あなた
あ、こら!
あなた
……全くもう



電気を消して、あいつを追う。



どこいったんだろ……?
母さん
あなたー、今猫ちゃんあんたの部屋入ってったけどいいの?
あなた
え" っ……



母さんそこは止めてくれよ……。



部屋荒らされたら片付けるの僕なんだから……。



そう思いながら、少し開いた部屋のドアに手を掛ける。
あなた
……やっぱり
ふみゃっ!



目の前のこいつは、見つかったと言わんばかりの声を出す。






僕が目の当たりにしたのは、荒らされた部屋だった。
あなた
カーテンとシーツ破らなかったのは褒めてやろう



こいつの頭を撫でてやる。
みゃ!!
あなた
……この荒らした行為自体は褒めてないけどね



よく今の一瞬でここまでできたもんだ。



部屋で走りまくったのかな?
あなた
……片付ける手間が増えた



こいつは大人しくなるまでリビングで寝かそう。



うんそうしよう。



僕は倒れたものを拾っては元の位置に戻した。
あなた



片付けていると、足元に何かが転がってきた。
あなた
MIKASAの練習球……



黄色と青のバレーボール。



……2ヶ月くらい前に買ったやつだ。
あなた
そういや数回使った後辞めちゃったんだっけか
あなた
お前どっから出したんだよ……
にゃ?
あなた
……まあどの道日向との練習に持ってくけどさ



……ボールを見ると練習したくなってくるのは



まだ治らない、か。

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