皆藍理の意見に賛成したので、私はドアに手をかける。
キィと音をたてるドアを開けて、私達は外へ出た。
そこに広がるのはくすんだオレンジ色の空とグロテスクなお菓子やおもちゃ。
そしてジェットコースターなど、遊園地でお馴染みのアトラクションだった。
ひなちゃんの声に耳を傾けようとしたその時。
Shineのメンバーである萩中まい、M.kに所属する東野未来と渡辺かこが隣の部屋からでできた。
皆私達と同じ、アイドル業界の人だ。
ゆうちゃんが怒っている光莉ちゃんをなだめる。
光莉ちゃんは明らかにまいちゃんを嫌っているみたい。
それに、まいちゃんも光莉ちゃんのことをよく思っていないのは一目で分かった。
藍理が思い出したように言う。
その声で皆の視線がひなちゃんの方に向いた。
ひなちゃんは話し声が止んでから話し出した。
皆個人の意見を言い合って、騒がしくなってきた頃。
「部屋の中で聞いた声の主は誰なんだろう?」という話になった。
皆が慌てて振り向く。
するとそこには____
人形のような、2人のピエロがいた。
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編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!