高橋 side
あなたに告白してからしばらくたって、
俺の日常から完璧にあなたが消えたのに、周りはなんも変わらへんかった。
…………ずっと遊びやと思ってた。
あなたはふつーに美人やし、学校で有名人やったし、いきなり2ヶ月付き合ってとか言うし、冗談のつもりやった。
やのに、一緒にいればいるほどすきになって。
…………勝手にそれはあなたも同じやって自惚れてた。ばかやなぁ。
2ヶ月で終わること、わかってたのに。
………………なんてことをもうずっと考えてる。
きっと一生あなたのこと、忘れられへん。
忘れられるわけがない。
気がつけば来ていた公園に人影が見えた。
『………………(ガサッ』
?? 「………へ、!だれ、!!」
『え、あ、ごめんなさい、!!えっと、怪しいものじゃなくて、その、……』
?? 「…………へ、……きょうへ、い、?」
『え?なんで俺のなまe、………あなた、?』
「…………っ、なんで、」
『あなた、こそ、なんでここに、』
「………ちょっと気分転換に、笑」
『なんかあった、?』
「………え、、??」
『辛い時、いつもそんな顔してた、笑』
「………うそ、」
『ほんまやで笑』
「…………ずるいね、そういうこと、笑」
『………え?』
「…………何回も、何回も、忘れようとしたのに、ほんのちょっと会っただけでまたすきになっちゃう、……ずるいよ、」
『……っそんなん俺やって、、!!!!』
「………もっと違う関係で出会えてたら良かったのに、って何回も考えた。」
『……………………』
「………私が一般の人だったら、恭平が駿くんの家の人だったら、……そう毎日考えてるよ、」
『……………………』
「……ごめんね、もう行かなきゃ、この場所バレちゃう、」
『…………あなた、まっ、………』
「……だいすきだったよ、……だから、……忘れてください、っ、」
『…………………っ、』
そう言ってあなたは去っていった。
ほんの一瞬の出来事すぎてわけがわからへん。
……ただ、もう本当にお別れだと思い知らされた。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!