第64話

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2022/09/11 12:47
宗三左文字
宗三左文字
あなた。それでも、私達は知りたいと言ったらどうしますか?
あなた
あなた
え?
宗三左文字
宗三左文字
貴方が私たちの話を…想いを聞いてくれたように…私達も貴方の話を…想いを知りたいのですよ。
あなた
あなた
…。
鶴丸国永
鶴丸国永
教えてくれないか?君の過去を…。
あなた
あなた
本当に…貴方達は…。…焔様からはどこまで聞いてるの?
鶴丸国永
鶴丸国永
両親からの暴力…兄との約束。簡単にしか聞いてないさ。
あなた
あなた
…少し…私の過去の話をしよっか。
あなたはそう言って自分の過去を話し始めた。
* * *


――11年前
母親
母親
ほんっとに使えないわね!!家事一つロクに出来ないんて!だから、本当の母親にも見捨てられるのよ!!
あなた
あなた
ごめんなさい。ごめんなさい。
蓮
母さん!止めて!!
母親
母親
うっさいわよ!蓮!!
暴力を振るわれ、涙を流すあなたを護るように出てきたのは、兄の蓮。機嫌の悪い母親の前に出たことで蓮もまた、暴力を振るわれる。
父親
父親
うるさいぞ。お前。
母親
母親
仕方ないでしょ。言われたこと1つきちんとできないんだから!
父親
父親
ほっとけばいいさ。俺たちは外で食事すればいい。
母親
母親
それもそうね。
あなたの母親と父親はそう言うと、蓮とあなたを置いて外出をした。
蓮
大丈夫か?あなた。
あなた
あなた
うん…。でも…お兄ちゃんが…。
あなたは母親に殴られ、赤くなった蓮の頬を見つめる。
蓮
俺は大丈夫だ。ほら。あなたも腕の手当てしよう。
あなた
あなた
もうやだ…。なんで…あなたはこんな目に合わなきゃいけないの…。
あなたは涙を流しながら言う。
蓮
あなた…。大丈夫だ。お兄ちゃんがついてる。今は苦しくても…未来はきっと楽しい日々が待ってる。今は難しくて分からないかもしれないけどな…分る日が来る。それまで耐えるんだ。あなた。
蓮はあなたの手当てをすると小さな体を抱きしめる。
* * *
暴力を受ける日々相変わらずの中、1年がたった、ある日、あなたの生活に大きな変化が起きる。
蓮
あなた。大事な話がある。
ある日、蓮が真剣な顔であなたに言う。
あなた
あなた
どうしたの?お兄ちゃん。
蓮
明日、この家を出て行かないといけなくなった。
あなた
あなた
え?
蓮
母さんたちに出て行けと言われたんだ。
あなた
あなた
いやだ…。置いて行かないでよ。お兄ちゃん…。
蓮
ごめんな。あなた。お兄ちゃんと約束しよう。
あなた
あなた
約束?
蓮
ああ。俺は、生活ができるくらいになった時、必ずあなたを迎えに来る。例え、何年経とうが、必ず迎えに来る。それまで頑張れるか?
あなた
あなた
本当?そしたら、もう…痛い思いしなくても大丈夫なる?
蓮
ああ。すぐには来れないが、必ずお兄ちゃんが助けてやる。もう痛い思いもさせない生活をしよう。…それまで待てるか?
あなた
あなた
待つ!!絶対待つ!!あなた頑張る。
蓮
じゃ、約束だ。次にお兄ちゃんがこの家に来たときは一緒に暮らそうな。
蓮はあなたにそう言って、約束をしたその次の日、蓮は荷物をもって家を出て行った。
* * *
兄である蓮が家を出て行ってからのあなたは過酷な日々が待っていた。
あなた
あなた
痛い!ごめんなさい!!
母親に殴られ…
あなた
あなた
許して!!お願い!!やめて!!
父親には屈辱的な行いをされる日々だった。
あなた
あなた
ダメ…。耐えなきゃ。お兄ちゃんが来るまで…。
あなたの心を唯一支えていたのは蓮の言葉だった。
* * *
蓮が家を追い出されて5年がたったある日、あなたの人生を大きく変える出来事がやってきた。
時の政府
時の政府
では、この内容に承諾して頂けるという事ですね?
父親
父親
ええ。もちろん。
あなた
あなた
…。
時の政府
時の政府
時の政府に仕えることは世の理より離れること。特別な理由がない限り会うことは出来ませんが…。
母親
母親
構いませんよ。どうせ、金ばかりかかる役立たずですから。そちらで役に立つのであれば。
あなた
あなた
(…ああ…お兄ちゃん…。どうやら…約束は護れそうにないや…。ごめんね。)
父親
父親
それで…どのくらいの金額が…?
時の政府
時の政府
詳細はこちらになります。
母親
母親
まぁ、こんなに!!
時の政府
時の政府
よろしいでしょうか?
父親
父親
はい。こんな愚女ぐじょでよいのであれば。
そうやって、あなたの意思とは関係なく時の政府との契約が進み、あなたは時の政府へと行くことになったのだった。
🌸久しぶりの更新です。皆様のコメント、お気に入り登録、いいねには、更新をしていない間も嬉しい気持ちで見させて頂きました。なかなかの亀更新でお待ちいただいてありがとうございます。
今回の話は審神者の過去を軽く入れております。話が少しまとまっていないかもしれませんが、それは暖かい目で見ていただければと思います。そして、これからも、この【ブラック本丸の審神者】をよろしくお願いいたします。🌸

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