第40話

14話 刀剣男士と審神者は勝負します①
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2021/12/10 21:00
あなた
あなた
…。
あなたは明朝、中庭に向かっていた。
あなた
あなた
(もう…待っておられるかもしれない。)急がなきゃ…。
あなたは足早に廊下を進む。
* * *
三日月宗近
三日月宗近
これも…あの娘の…影響か…。
三日月は中庭の桜の下であなたを待っていた。
あなた
あなた
お待たせしました。三日月様。…遅くなってしまい申し訳ございません。
三日月宗近
三日月宗近
よい。俺が早く来ただけだからな。
三日月は笑顔を浮かべあなたを迎えた。
こんのすけ
こんのすけ
主様!お待ちしておりました!頼まれていたものです!
そう言うとこんのすけは一振りの刀を出す。
あなた
あなた
ありがとう。こんのすけ。
三日月宗近
三日月宗近
ほう…打刀か…。
あなた
あなた
はい。これは、艶桜。妖刀でございます。
三日月宗近
三日月宗近
ほう。
あなた
あなた
これしか、自らの刀を持っておりません。こちらを使わせて頂きます。
三日月宗近
三日月宗近
よい。どの刀を使おうが…かまわん。…以前から思っておったが…お前は戦に抵抗が無いように見えるな。
あなた
あなた
そうでしょうか?
三日月宗近
三日月宗近
話し合いのみで解決することを望まないのか?
あなた
あなた
え?
三日月宗近
三日月宗近
人とは普通…戦を避けたいものだろう?
あなた
あなた
…そうですね。…人間同士の荒事なら、話し合いでも解決できるでしょう。…しかし、今は貴方方…刀剣と人間の荒事です。
三日月宗近
三日月宗近
…。
あなた
あなた
刀剣との荒事なら…話し合いで解決するよりも…刀を交えることでしか分からないこともあると思っております。貴方方の声を聞くなら…戦の中が一番だと思います。…勿論、私は話し合いで解決する事を望んでおります。でも…此度の荒事は…話し合いで解決できないと判断しました。此れが一番最善の策だと…。例え、これで命を落とすことになろうとも…。
あなたは桜を見上げて言った。
三日月宗近
三日月宗近
なるほど。…本当にお前は変わっておるな。…そして、全てお前の思い通りだったと言うことか…。大したものだ。
あなた
あなた
私はただ…私を信じる彼らの想いを…願いを…叶えたいだけです。
あなたは三日月に笑って言った。
こんのすけ
こんのすけ
それでは…三日月様!主様!ご準備はよろしいですか?
こんのすけの言葉にあなたと三日月はゆっくりと刀を構えた。
あなた
あなた
…?
三日月宗近
三日月宗近
…はぁ…。
あなたと三日月はある気配に気づき、その方向を見つめる。
三日月宗近
三日月宗近
一騎打ちの件は…我らだけで終わらせるつもりだったのだがな…。…お前たち…出てくるがよい。
三日月の言葉に各所から続々と刀剣たちが姿を現す。
三日月宗近
三日月宗近
お前たちは…一体何をしておるのだ?
三日月は溜息をついて聞く。
加州清光
加州清光
それは…こっちのセリフなんだけどー。あんたらこそ何やってんの?
鶴丸国永
鶴丸国永
まったくだな。特に三日月。君はいつも勝手な事ばかりして。…こんな驚きは要らんと何度言えばわかるんだい?
不機嫌そうに加州と鶴丸は言った。
あなた
あなた
鶴丸。これは一体どういうこと?
あなたもこの展開に驚き、鶴丸に聞く。
鶴丸国永
鶴丸国永
立ち聞きするつもりはなかったんだがな。昨日の君たちの会話が偶然聞こえたんだ。だから、君らの事も…一騎打ちの事も全部知っている。
加州清光
加州清光
まったく…なんで、こんな勝手な事ばかりするんだよ!
加州はそう言って、三日月の横腹を軽く突く。
三日月宗近
三日月宗近
…っ!
鶴丸国永
鶴丸国永
君もだぞ。俺に何も話さないで一騎打ちなんてな。…あれほど…俺に話せと言ったのになー。
あなた
あなた
…鶴丸…いひゃい…。
鶴丸に頬をつままれながらあなたは言う。
鶴丸国永
鶴丸国永
言ったはずだぞ?俺は君を死なせるつもりはないと。…頼むから、心配させないでくれよ。君に何かあったら、悲しむのは俺だけじゃないんだぞ?
あなた
あなた
…ご…ごめん。
鶴丸の言葉にあなたはつままれていた頬を撫でながら言う。
加州清光
加州清光
三日月。なんで、全部1人で背負い込もうとすんの!?俺ら、仲間じゃないのかよ!!
三日月宗近
三日月宗近
これは…俺の問題だからな…。
加州清光
加州清光
あんたが、俺らの為にたくさん傷ついてきたことは知ってるさ!情けないけど…俺たちはそんなあんたにずっと甘えてた。
三日月宗近
三日月宗近
…。
加州清光
加州清光
だけど…今は…俺たちだって…三日月を助けたいと思ってんだよ!
三日月宗近
三日月宗近
加州。
加州清光
加州清光
そう思っちゃ悪いのかよ!!
加州は三日月を見つめながら言う。
鶴丸国永
鶴丸国永
俺たちは君たちの決めたことを止めるつもりはない。2人の好きなようにすればいい。
三日月宗近
三日月宗近
鶴丸。
鶴丸国永
鶴丸国永
ただ…俺たち抜きでしようとしたことに腹が立っただけさ。
鶴丸はあなたの隣で言う。
小夜左文字
小夜左文字
姉様。
あなた
あなた
小夜。
小夜左文字
小夜左文字
姉様の…バカ…。
小夜の小さな文句にあなたは苦笑いをしながら、小夜を撫でた。
鶴丸国永
鶴丸国永
主…無茶だけはしないでくれよ。
あなた
あなた
はい。
こんのすけ
こんのすけ
それでは…お2人ともご準備を…。
こんのすけの言葉にあなたと三日月は再び刀を構えた。そして、鶴丸たちは後ろへ下がった。
あなた
あなた
…。
あなたと三日月は一歩、二歩と踏み出した。…ガキン!

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