第42話

2,303
2022/01/17 12:00
あなた
あなた
自分の行いに悔いているのなら…それが正しかったと言えるまで…その意思を貫きなさい。
三日月宗近
三日月宗近
…。
あなた
あなた
託してゆける?ふざけるな。貴方は此の本丸を残して勝手に消えるつもりか?…そのような行動…この私が許すとでも?
三日月宗近
三日月宗近
…っ!
あなたの怒りを纏う雰囲気に三日月でさえ、緊張を隠せない様子だった。
あなた
あなた
貴方が此の本丸からいなくなれば…此処の本丸のどれだけの刀剣男士が悲しむと思っているのですか?
三日月宗近
三日月宗近
…。
あなた
あなた
…私が護るべき刀剣男士には…三日月宗近様…貴方様も入っているのですよ。
三日月宗近
三日月宗近
…っ!
あなたはいつもの優しい口調に戻し、綺麗に直された髪飾りを差し出す。
あなた
あなた
そこだけは間違えないでください。
あなたは三日月に近づくと髪飾りを付けた。
あなた
あなた
貴方様の罪も後悔も全て私が背負いましょう。私は…此の本丸の…貴方様の審神者なのですから。
あなたは膝をつき、三日月と同じ目線になると呆然としている三日月の頬に触れた。
あなた
あなた
三日月様。今までよく耐えてくれました。よく此の本丸を護って下さいました。後の事は私にお任せ下さい。
三日月宗近
三日月宗近
…。
あなたがそう言うと、三日月はこれまで耐えていた涙を静かに流した。
あなた
あなた
(…三日月様でさえ…此処まで追い詰められている…。…此処の闇は本当に深い。)
鶴丸国永
鶴丸国永
主。
あなた
あなた
鶴丸。…頃合いだわ。
鶴丸国永
鶴丸国永
そうか。…君は俺が護ろう。
あなた
あなた
ふふ。それは嬉しいけど…貴方が先に支えるべき相手は…此の本丸の皆様だからね。
あなたは三日月の頬を流れる涙を軽く拭くと、覚悟を決めた顔をして立ち上がり、刀剣男士たちを見る。
あなた
あなた
さて…皆様は此度の一騎打ち…勝敗の内容もご存じだと思います。三日月宗近様との勝負は私…審神者の勝利で終了いたしました。従って…皆様には審神者である私に従って貰うという義務が発生いたします。
あなたの言葉に刀剣男士たちは身構える。
鶴丸国永
鶴丸国永
(此の本丸を変える…それが出来るのはあなただけだ。…俺には…できないな…。)
あなた
あなた
なので…私からは2点ほどお話があります。…まず1つ目。私はこれまで同様…皆様に極力近づきません。…私を信用できない方は今まで通りで構いません。…無理に信じてもらおうなどとは思っておりませんので…。ですから…皆様自身が考え…心に問いかけ…信じるか…信じないかを決めてください。
刀剣男士たち
…!!
予想していなかったあなたの言葉に皆は驚く。
あなた
あなた
恐怖を抱いておられる方はそのままでいいです。無理矢理従ってもらって…良い関係など築けません。私を殺したい方は今まで通り…どうぞ殺しに来てください。私は簡単に殺されるつもりはありません。その時はしっかりお相手をさせていただきます。
あなたは笑いながら言う。
あなた
あなた
そして2つ目ですが…皆様に私の真名をお伝えします。
刀剣男士たち
…!?
あなた
あなた
…此れは…審神者である私の覚悟です。…審神者は言霊で皆様を縛ることができる。しかし…皆様には…私を縛ることができるものがない。それは不公平というもの。…なので、真名をお伝えします。勿論…私が皆様にとって不必要な人間と判断した場合は真名をお使いください。
あなたはそう真剣に言うと、命ともいえる真名を教えると言ったあなたの言葉に刀剣男士たちは驚きを隠せないでいた。
あなた
あなた
…では…私の真名を…。私の真名は…桜木 あなたと申します。…皆様が再び、明るい生活を送る事が出来るよう精進していくつもりです。
あなたはそう跪きながら言う。
あなた
あなた
私からは以上です。…朝早くからお集まり頂きありがとうございます。まだ、朝が早い。どうぞ、各自部屋でお休みください。…私も失礼いたしますので…。
あなたの言葉で刀剣男士たちは、自身の部屋に戻っていく。
小夜左文字
小夜左文字
姉様。
あなた
あなた
小夜。今日はお兄様の所に行ってあげなさい。…貴方が…私を信じようか迷ったように…今、お兄様たちも迷っているはず。今まで、支えて貰っていたのなら…今度は小夜が支えてあげなさい。
小夜左文字
小夜左文字
わかった。…姉様。
あなた
あなた
ん?
小夜左文字
小夜左文字
ありがとう。
あなた
あなた
ふふ。どういたしまして。さぁ、行きなさい。
あなたは小夜の背中を押す。そして、兄である宗三と江雪の方を向き、頭を下げる。
鶴丸国永
鶴丸国永
あなた。
あなたは鶴丸に呼ばれ、鶴丸の方を見る。
鶴丸国永
鶴丸国永
これでよかったのか?
あなた
あなた
…さっきも言ったけど…私が勝ったんだもん。私の好きなようにさせてもらうわ。…ま、さっきのが私の最初の命令みたいなものよ。…どれほど…大口を叩いたって…彼らの苦しみを…戸惑いを…全て知ることはできない。まだまだ、道のりは遠いわ。
刀剣男士たち
あなた/姉様!
あなた
あなた
みんな…。
加州清光
加州清光
もう!また、無茶して!!
乱藤四郎
乱藤四郎
まだ皆は…審神者の事憎んでるのに!!
あなた
あなた
だからだよ。…これは、私の覚悟。…自分の命でも賭けなきゃ。…此の本丸は変わらないでしょ。大丈夫。皆を置いて死なないから。
一期一振
一期一振
あなたは無茶をされるのが上手ですな。
あなた
あなた
…それ…褒めてる?…褒めてないよね?
髭切
髭切
どうだろうねー。
膝丸
膝丸
だが、此度の事…流石に肝を冷やしたぞ?
あなた
あなた
ごめんね。こうでもしなきゃって…思って…。
髭切
髭切
でも、あまり無茶はしないでよ。
あなたの周りに集まった髭切たちはそれぞれの思いを口にする。

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