第34話

ヘン
『______テツ。』


黒「おーあなた。早起きだな」

いやいやそれはコッチの台詞なんだけど







テツはよく無理をする
前回うまくいかなかったことは、絶対出来るようにして次の試合に臨む
成功するまで何回もやり続ける

昔から頑固なとこは今でも変わってない



幼なじみ…というかマネージャーとして

後の練習に響くから程々にしてほしいとこなんだけどな




綺麗なフォームで勢いよく放たれたボールは

放物線を描いてネットを越える


黒「で、なんで今日そんなに早起きなんデスか?」

ボールを打つ手を止めずにそう聞いてきた



『朝っぱらから鳴るバイブ音で起きたの』

相手コートに落ちるボールを見ながら応えた

…mikasaばっか落ちてるし笑



黒「へー、で、誰から?」

相変わらずボールを打つ手は止まってない



けど少し、ほんの少し






怒っている気がした



『ん、徹だよ。今日夕方も雨かもねーって話してたの』


"徹"という言葉を出した瞬間


テツのボールを打つ手がピタリと止まる




黒「今日…そいつに会うのか?」



『……うん。』



この前の部活中も徹の話をしたら顔色を変えたテツ


あんまり面識ないはずなのに、











どうしてそんなに悲しそうな顔するの?






そんなテツの視線から逃れようと

私は反対側に落ちているボールを拾う






体育館に私の足音だけが響く








黒「…………夜」

ボソッとテツが呟いた




『夜………?』










黒「今日の夜、自販機前集合」



じゃあ、と踵を返して体育館から出て行ってしまった














テツはやっぱり最近おかしい