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第1話

プロローグ的な何か。
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2018/11/07 09:14
侍女side



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「リリィ!今すぐに来なさい。」

静かな舘に奥様の声が響く。

「なんでしょう、奥様。」

何かあっては行けないのでドアの前に待機していたから、すぐに声をかけることが出来た。

そして私を呼んでいたのはこの館の奥様、私の主人であるルーディア·シオン様。

シオン様は、ちょっとツリ目で真っ赤な目と唇、この国では珍しい(というか、恐れられている)白髪の持ち主だ。

白髪といっても、老人のような白ではなく、すくい上げると透明感がある綺麗な髪なのだ。

日が経つ事にシオン様の美しさは増していき、もう最高なのだ。

可愛い、綺麗、大好き。愛してます!!……ごほん。

そんなことを1人思っていると

「リリィ!私ね、いいこと思いついたの!」

あぁ、笑顔が美しすぎる。

「いいこと、とはなんでしょうか?」

「私ね、旦那様と離婚します!」

…はい?奥様は離婚とおっしゃいました?

離婚して、私と一緒にキャッキャウフフして暮らすのですね!

「それは、いいですね!」

「えぇ、でしょう?だから、明日旦那様に話そうと思うから…リリィ、明日はお休みでいいわよ。」

は?私を抜いて旦那様と奥様が二人きり?

そんなの私が許すわけないじゃないですか。

しかも、あんな男と。

「いえ、それはなりません。私もお傍にいます。」

「いいえ、拳で語り合う事になってしまったらリリィに被害が出るでしょう?」

…拳で語り合うとか誰の教えてもらったのですか。

というか、奥様に心配してもらえて感激ですの!

「いえ、ですが奥様を守り抜くようシューザット様にも言われているので」

シューザット様は、シオン様のお父様だ。

旦那様にも言われたが、私の敵である旦那様の命令なんて聞けません。

「御願い、リリィを危ない目に会わせたくないの。」

私が殴られているところを想像したのか、プルプルと震えだした。(自己解釈です。)

愛おしい。

「…わかりました。その代わり、別れた後は実家に戻る前に私とお買い物にでも行ってくれませんか?」

「えぇ!もちろん行くわ!リリィの頼みなら何時でも行くのに、」

よっしゃぁぁ!買い物の時に攫おう。

貧乏であるが2人なら幸せに暮らしていけると思う。

こうして、この日は終わった。

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