第37話

特別編 彼の誕生日は。②
4,196
2020/11/17 12:15
あなた
いや、なんでもって一番ダメな言葉じゃん!!
黒尾
黒尾
自分で言っといてな。笑笑
あなた
今さっきの言葉は無しだからね!!
あなた
あなたちゃんはみんなの者だからね!
黒尾
黒尾
黒尾さんは清純なのでそんなこと言いません。
あなた
さすがクサン。笑笑
黒尾
黒尾
クサンじゃねーよ。笑笑
あなた
でも、思ったでしょ?
黒尾
黒尾
は?
あなた
『あなたちゃんがいい。』って。
黒尾
黒尾
いやいやどうしたのあなたチャン。
あなた
もう少しで12時だしさ、
黒尾の日になるし。
正直に言ってもいいんだよ?
黒尾
黒尾
正直?
あなた
黒尾さん、
さっき私のこと欲しいと思ったでしょ?
黒尾
黒尾
黒尾
黒尾
ぶっちゃけ、めちゃくちゃあなたサンほしいし、というかまじ会いたい。
あなた
うん、そっか。
黒尾
黒尾
は?
あなた
じゃ、カーテン閉めてお休みなさい。
黒尾
黒尾
いやいやたった一言かよ!?
黒尾
黒尾
おい、既読スルーか!?




あなたから既読のつかないスマホを閉じ、ベットに放り投げる。


黒「って、なんでコイツカーテン閉めてないこと知ってんだよ…。」


一体何がしたかったんだ。

あなたとのトークを改めて思い出し、恥ずかしさが今更になって募る。

…はぁ寝よ。

重い腰を上げ立ち上がり、あなたに言われた通りカーテンを閉めようとすると___



黒「は?」


窓の外を見ると俺が今一番会いたい人がいた。

スマホを片手にニコニコ笑いながら手を振る彼女。

喜びが電流のように全身を通り抜ける。

カーテンを閉め、急いで玄関に向かう。

階段一段一段降りている時間も惜しく、一段抜かしで降りる。

自分の靴は紐を解いてから履かなくてはならないので、じいちゃんのスリッパを借り、さっと履く。

勢いよくドアを開ければ


『あ、ピッタリ12:00だ。
黒尾、誕生日おめでとう!』


と言って抱きついてくるあなた。

何気なく始まる今日という一日があなたの言葉、行動で特別な日に変わる。



『ビックリしたでしょ?』

黒「そりゃあ勿論、一人でこの真夜中歩いてきたのか?」

『うん、黒尾の返信を返しながら駆け足できたの。通話しようと思ったんだけど、外の音聞こえちゃうとサプライズにならないからね。』


嬉しいと言う気持ちを抱き締めるかのように、ニコニコと笑うあなたを優しくそっと抱きしめ返す。



『さっき黒尾が私に会いたいって言ってくれなかったらどうしようかと思ってた。
ま、私が言わせたようなもんだけど。』

黒「正直言うつもりなんてなかったわ。」

『言ってくれなかったら私引き返してた。』

黒「あん時の俺正直者でよかった。』

「よかった、よかった。」


いつも学校でしているような話、口調だが、今はなんだかそれも特別に感じる。


『私が一番だよね?』

黒「何が?」

『黒尾の誕生日祝ったの。』

黒「まだあなたしか祝ってもらってねー。」

『ならよかった。
一番に祝いたくて来たんだ。』

黒「でも、さっき祝ってくれただろ?」

『あれは前夜祭。
今日が黒尾鉄朗誕生祭だよ、略して黒祭!』

黒「なんじゃそりゃ。」

『だから今日、黒尾クンが退屈する時間ないからね!このあなたチャンいっぱい企画してるからね!』

黒「そりゃあ楽しみだな。」


11月の夜はとても寒いと言うのにあなたの体温が伝わって俺を暖かくさせる。

お互い見つめ合って笑う。



11月17日。

普通の人から見たら普通の日だ。

だが、俺から見たら高校三年生の今日という日の事は一生忘れないだろう。









『鉄朗、生まれて来てくれてありがとう。



これから先もずっと一番にお祝いするからね。』





fin















黒尾さんハッピーバースデー!!
ギリギリ間に合った!
慌てて書いたから
いつも以上にgdgdですね(~_~;)
ここまで読んでくださってありがとうございます!!









おまけ。




〜学校〜

『はい、誕生日プレゼント。』

黒「お、サンキュー」

夜「けっこう大きいな。」

『いいの買ったからね!』

海「中身に気になるな。」

黒「気になるけどさ一人の時に開けもいい?」

『うん、いいよ!明日見せてね!』

海「明日?」

夜「ますます気になる。」

『2人も明日になれば絶対分かるよ〜』





黒尾君に上げたのはバレーシューズとタオルでした。












 









プリ小説オーディオドラマ