これは中学二年生のとあるカップルの話。
付き合って丁度一年経った日の話。
そして
彼の誕生日の話。
【 7月18日 】
及川 徹
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〜坂ノ下商店〜
『……お兄ちゃん。』
繋「ん?」
『真面目な話していい?』
繋「お、おう。」
『どうして彼氏って尊いんだろうね。』
繋「……リア充爆発しろ。」
『あー、もう好き。』
繋「分かったからそこのダンボール運ぶの手伝え。」
『兄ちゃんも早く彼女作りなよ。
この気持ちわかるから。』
繋「久しぶりに坂ノ下商店に来て手伝いに来たかと思えば彼氏の自慢話か。」
『お兄ちゃんに共感してもらいたくて。
あ、でもこの前お兄ちゃん別れたばかりなんでしょ?』
繋「なんでお前が知ってんだよ!」
『嶋田さんに聞いちゃった。
あ、そうそう私の友達で彼氏募集の子がいるんだけど___』
繋「バカ、誰が高校生なんかに手ェ出すか!!」
『え?違うよ、高校生なわけないじゃん。
研修の先生だって。マキちゃんって言うんだけどめっちゃくちゃ可愛いんだよ!』
繋「先生かよ!!」
『当たり前でしょ。
高校生なんて…。全国の女子高校生で、お兄ちゃんと付き合いたいと思う人は2、3人しかいないと思うからね。
女子高校生にモテると思わないでよ。』
繋「…。」
2、3人はいるのかよ。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。