そして、とうとう両親が家に来る日。
春馬くんはスーツ姿で、座っていた。
しばらくして両親が家にやって来た。
「あんた、こんな良いマンションに住んで」
そして、両親と春馬くんが対面する。
すると、お母さんは
「あら、別れたの?あの彼氏は」
「別に良いのよ。でもこんな文句無しイケメン良く見つけたわねぇ、お父さん」
「そうだなぁ」
私はお茶を出すと、両親と春馬くんで話が盛り上がっていた。
しばらくすると、お母さんが
「付き合ってまだ経ってないけど…結婚とか…考えてたり?」
「そう。なら良かった。ねぇ?」
「まぁ…でもなぁ…また別れるかもしれんぞ?」
「あら、嬉しいわね(笑)」
「あなたの事宜しく頼むぞ」
「そうだ。三浦さんのご両親は…」
その時春馬くんの言葉が止まった。
「あ…ダメだったかしら?」
私も初耳だった。勿論それを聞いた親は…
「ヤクザ…?」
「てことは君…」
「お父さん…」
「すまんが…結婚は考えないで欲しい。」
「あなた…お前も知っていて付き合っていたのか」
「お前…ヤクザに何をされたのか分かっているのか?そんな奴らと同じような」
「あなた!…結婚はやめなさい。」
「あなたはな、ヤクザに誘拐されて、ボロボロの状態で帰って来た。その時からあなたは男の人が苦手になったんだ。俺らはその時からヤクザに恨みを持っているんだ…すまないね」
「滝谷…滝川組だったか…?」
「なんだ、知っているのか。まぁ当然だろうけど、ちなみにその誘拐した犯人は確か…」
「な…!?何故止めなかった!!そんな奴のボスなんかと付き合うな!今すぐ別れろ!」
そのまま父は出て行ってしまった。
「ごめんなさいね。お父さんすぐカッてしちゃうから。でも…あなた。今回は私はお父さんと同意見よ。」
お母さんも父を追って出て行ってしまった。
春馬くんは私をゆっくりと抱きしめた。
私は両親をなんとかまた家に居れた。
「お父さん、こんなに思って下さってるのよ?私はもう良いと思うんだけど…」
「話は終わりか…」
「ちょ…お父さん!」
「だったら縁切って来い。今日はもう帰る」
お母さんは春馬くんに謝り、二人とも帰っていってしまった。
その日は明日の緊張でよく眠れなかった。
春馬くんも眠れなかったみたいで、私達は抱きしめあって眠りについた。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!