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第1話

past
25
2020/03/06 06:40
あれはーーー

今までの人生で1番古くて、
印象に残った夏の日の思い出。

幼い少年の家の隣にきた家族。

小枝を片手に鼻歌を歌いながら何か書いてる子ども。

「なぁ、そこで何をしているの??」

少年の質問に首を傾げてる。

言葉が分からないようだ。

少年はジェスチャーで「一緒に遊ぼ」と伝えてみた。

意味が理解出来た子どもは笑顔で頷いて、少年と一緒に遊んだ。

公園の滑り台

シーソー

秘密の湖で水遊び

「ねぇ、明日も遊ぼうよ!」

少年の言葉に子どもは向日葵のような笑顔を見せた。




しかしーーー

少年がその子供と遊ぶことは二度と無かった。

子どもが住んでた家は空っぽ。


「ねぇママ。お隣さんどうしたの??」

「お隣さんは、ほんとのおうちに帰ったの」

「ほんとのおうちはどこにあるの?」

「確か…日本だったわ!」

「日本って??」

「大きくなったら行けるわよ!」

「俺、大きくなったら日本へ行く!!!」

「そう!頑張ってね!ヨハン!!!」

幼い日の思い出。

俺はあの子と再会したくて日本を目指したーー


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