あれはーーー
今までの人生で1番古くて、
印象に残った夏の日の思い出。
幼い少年の家の隣にきた家族。
小枝を片手に鼻歌を歌いながら何か書いてる子ども。
「なぁ、そこで何をしているの??」
少年の質問に首を傾げてる。
言葉が分からないようだ。
少年はジェスチャーで「一緒に遊ぼ」と伝えてみた。
意味が理解出来た子どもは笑顔で頷いて、少年と一緒に遊んだ。
公園の滑り台
シーソー
秘密の湖で水遊び
「ねぇ、明日も遊ぼうよ!」
少年の言葉に子どもは向日葵のような笑顔を見せた。
しかしーーー
少年がその子供と遊ぶことは二度と無かった。
子どもが住んでた家は空っぽ。
「ねぇママ。お隣さんどうしたの??」
「お隣さんは、ほんとのおうちに帰ったの」
「ほんとのおうちはどこにあるの?」
「確か…日本だったわ!」
「日本って??」
「大きくなったら行けるわよ!」
「俺、大きくなったら日本へ行く!!!」
「そう!頑張ってね!ヨハン!!!」
幼い日の思い出。
俺はあの子と再会したくて日本を目指したーー
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。