第14話

デートのはじまり
310
2026/04/22 02:00 更新
夜が明けて、今日は、三条くんとふたりで出かける日。
新田 桃音
新田 桃音
(ほとんど眠れなかった)
新田 桃音
新田 桃音
(すっごく緊張する!)
約束は、駅に10時。

だけど私は、30分も早く着いてしまって、ずっと改札で立って待っている。
新田 桃音
新田 桃音
(この時間すらも、ドキドキしちゃう)
こっちの世界に来てから私は自分で服を買っていないから、今着ているのはこっちの私が元々持っていた服。
襟元にフリルをあしらった白いブラウスに、濃いベージュのワンピースを重ねている。
新田 桃音
新田 桃音
(意外。こっちの私って、三条くんに聞いたイメージから、パンツスタイルとか、かっこいい私服ばっかりなんだと思ってた)
実際にクローゼットに入っている服は、ほとんどがワンピースやスカートで。
トップスも、フリルやレースのついた甘めなものが多かった。
新田 桃音
新田 桃音
(私が元の世界で着ていたものと、色違いまであったし)
新田 桃音
新田 桃音
(三条くんが、元の世界とこっちの世界では、好きなものは同じなのかもって言ってたけど、その通りみたい)
新田 桃音
新田 桃音
(ママが買ってきてくれたケーキも、すごくおいしくて、好きな味だったし)
三条 彬
三条 彬
あれー、新田、もう来てたんだ。早いね
新田 桃音
新田 桃音
!!
三条 彬
三条 彬
俺も早めに出てきたつもりなんだけど、ごめん、結構待たせちゃったかな
新田 桃音
新田 桃音
全然っ。私も、今来たところで
新田 桃音
新田 桃音
(うわ。今の、ベタなデートの待ち合わせ定型文みたいじゃなかった?)
新田 桃音
新田 桃音
(ごめん待った? ううん、私も今来たとこ。みたいな……!)
新田 桃音
新田 桃音
(憧れのシチュエーションを、三条くんと再現出来るなんて)
新田 桃音
新田 桃音
(すごいことが起こってる……)
時間を見ると、待ち合わせの10分前。
三条くんは、黒のバケハにオーバーサイズのシャツとパンツを合わせ、全体的にゆったりとしたシルエット。
新田 桃音
新田 桃音
(私服、こんな感じなんだ)
新田 桃音
新田 桃音
(かっこいい……)
新田 桃音
新田 桃音
(学校の制服では、タイトでスラッとした印象があるから、新鮮に感じる)
新田 桃音
新田 桃音
(脚、めっちゃ長い)
三条 彬
三条 彬
可愛いね
三条 彬
三条 彬
その服、似合ってるよ
新田 桃音
新田 桃音
!?
新田 桃音
新田 桃音
(にっこり笑って、なんか言われた……!?)
新田 桃音
新田 桃音
あ、あ、ありがとう……
新田 桃音
新田 桃音
あ、じゃなくて
新田 桃音
新田 桃音
三条くんに褒められたって、全然嬉しくないんだけど……? かな?
三条 彬
三条 彬
あははっ
三条 彬
三条 彬
いいよ、無理しなくて
三条 彬
三条 彬
言ったじゃん。今日は、こっちの新田のふりしなくていいって。疲れるでしょ?
三条 彬
三条 彬
そのままの新田で、いいよ
新田 桃音
新田 桃音
そのままの私……
三条 彬
三条 彬
うん
三条 彬
三条 彬
行こ
新田 桃音
新田 桃音
……っうん!
声がはずむ。
気持ちが高揚こうようする。
新田 桃音
新田 桃音
(待ち合わせ、ふたりきり、……そのままの私)
新田 桃音
新田 桃音
(本当に、デートみたい)
私は、三条くんの背中を追いかけて、跳ねるように地面を蹴った。

プリ小説オーディオドラマ