第13話

デートの約束
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2026/04/15 02:00 更新
三条 彬
三条 彬
新田、どうかした? 今日、ずっと元気ないじゃん
新田 桃音
新田 桃音
えっ?
新田 桃音
新田 桃音
そ、そうかな?
三条 彬
三条 彬
じゃなくて?
新田 桃音
新田 桃音
あ……
新田 桃音
新田 桃音
三条くんには、関係ないでしょ。今日ずっと私のこと見てたの? 気持ち悪いんだけど
三条 彬
三条 彬
おー。大分、言葉キツくなってきたよ。いいね
新田 桃音
新田 桃音
(言葉がキツいのは、私的にはあんまりよくない)
新田 桃音
新田 桃音
(そのたびに、三条くんに嫌われたらどうしようって、思っちゃうし)
新田 桃音
新田 桃音
(むしろ喜んでるから、大丈夫っぽいけど)
放課後の、三条くんとのいつもの時間。
パチパチと拍手をして喜んでくれる彼を前に、なんだか複雑な気分。
新田 桃音
新田 桃音
……
三条 彬
三条 彬
……
三条 彬
三条 彬
今日は、もうやめよっか
三条 彬
三条 彬
疲れてるみたいだし
新田 桃音
新田 桃音
新田 桃音
新田 桃音
そんなことないよっ
新田 桃音
新田 桃音
大丈夫。毎日、わざわざ時間作ってもらってるんだし
新田 桃音
新田 桃音
(ふたりきりの貴重な時間を、こんなに早く終わらせたくない)
焦って、顔の前でパタパタと手を振る。
新田 桃音
新田 桃音
(それに、明日は土曜日)
新田 桃音
新田 桃音
(二日間も、三条くんに会えないのに)
三条 彬
三条 彬
いや、学校にいる間はずっと、元の性格と真逆なことしなきゃいけないんだから、疲れるのは当たり前だよ
三条 彬
三条 彬
今日は、帰ろう
階段から立ち上がる三条くんを、見上げる。
新田 桃音
新田 桃音
(私はまだ、このままでいたいけど)
新田 桃音
新田 桃音
(付き合わせてる立場なんだし、わがまま言えない)
新田 桃音
新田 桃音
うん、分かった……
私も、立ち上がる。
新田 桃音
新田 桃音
(次に会えるのは、月曜日か……)
新田 桃音
新田 桃音
(残念だけど、しょうがないよね)
ふたりで昇降口に移動する。
上履きを片付けて、ローファーを地面に置く。
三条 彬
三条 彬
そうだ、新田、明日暇?
新田 桃音
新田 桃音
明日? うん、特に何もないけど
三条 彬
三条 彬
よかったら、一緒に出かけない?
新田 桃音
新田 桃音
三条 彬
三条 彬
毎日、自分を作らなきゃいけなくて、大変でしょ
新田 桃音
新田 桃音
三条 彬
三条 彬
学校の奴らがあまりいなそうなところまで行って、たまにはそのままの新田で、遊ばない?
新田 桃音
新田 桃音
えっ!?
三条 彬
三条 彬
あ、でも、俺とふたりじゃ嫌──
新田 桃音
新田 桃音
じゃないっ!
新田 桃音
新田 桃音
い、嫌なわけないよ!
新田 桃音
新田 桃音
行きたい! 連れてって!
新田 桃音
新田 桃音
……あ
食い気味に叫んだ自分の勢いが恥ずかしくて、口を手で押さえる。
三条くんはびっくりして、目を丸くしている。
三条 彬
三条 彬
ははっ
三条 彬
三条 彬
うん、よかった
三条 彬
三条 彬
待ち合わせ、駅に……そうだな、10時くらいはどう?
新田 桃音
新田 桃音
うん……!
三条 彬
三条 彬
行くところ、考えとくから
三条 彬
三条 彬
じゃあ、また明日
新田 桃音
新田 桃音
うん、明日……。明日また
先に靴を履き替えた三条くんの背中を、ドキドキしながら見送る。
新田 桃音
新田 桃音
(今、何が起こったの?)
新田 桃音
新田 桃音
(デートの約束……じゃ、なかった?)
新田 桃音
新田 桃音
(デートの約束だったよね?)
新田 桃音
新田 桃音
(ううん、三条くんはそんなつもりで言ってないと思うけど)
新田 桃音
新田 桃音
(でも、少しも好意がない相手を、誘ったりしないよね?)
新田 桃音
新田 桃音
っー!
声にならない叫びが、体の内側で爆発しそう。
新田 桃音
新田 桃音
(私、こっちの世界に来て、本当によかった)

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