第8話

私のふり、大成功?
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2026/03/11 02:00 更新
結局、三条くんとずっと保健室で話をしていて、授業を一時間サボってしまった。
三条くんが教えてくれた、こっちの私。それは……
新田 桃音
新田 桃音
(いじめっ子は、許さない。言葉使いはハッキリと。授業はよくサボる)
新田 桃音
新田 桃音
(左利き……は、どうもできないけど)
新田 桃音
新田 桃音
(そして、とにかく強気っぽく)
新田 桃音
新田 桃音
(よしっ)
一緒に教室に戻ると何かを言われるかもしれないからと、三条くんは先に自分の席に着いている。
私は心の中で気合いを入れて、教室の扉を開けた。
レナ
あっ、新田さん!
ナナミ
大丈夫ですか? 具合が悪いって、松川さんに聞きました。朝、ちょっとおかしかったから、心配で
早速駆け寄ってきたレナとナナミに、ビクッとたじろぎながら、私はキリッとした表情を作る。
新田 桃音
新田 桃音
『こっちの私は、レナたちにどんな話し方をしてるの?』
三条 彬
三条 彬
『ウザい、邪魔、いちいちうるさい。とか。突っぱねる感じかな。あの三人以外にも、同じだけどね』
先ほどの、三条くんとの会話を思い出す。
新田 桃音
新田 桃音
う、うるさいな。あんたたちには、関係ないでしょ
新田 桃音
新田 桃音
(人に対してこんな言い方したことないよ)
新田 桃音
新田 桃音
(何これ、大丈夫なの?)
そう思い、助けを求めるように、三条くんの席を目で探し当てる。
三条くんは「うん」とうなずいて、左手の親指をグッと立ててくれた。
新田 桃音
新田 桃音
(これでいいんだ……!?)
レナ
よかった。新田さん、いつも通りですね
新田 桃音
新田 桃音
(嘘でしょ)
ナナミ
今日のお昼は、何を買ってきましょうか?
新田 桃音
新田 桃音
いらない。いちいち私にかまわないで
新田 桃音
新田 桃音
(合ってる? 大丈夫!?)
ツーンとした態度を取りながらも、心臓はバックバク。
正に早鐘。
新田 桃音
新田 桃音
(三条くん!)
目でうったえると、また同じく立てた親指が返ってきた。
新田 桃音
新田 桃音
(合ってんの!?)
ナナミ
もう、新田さん、いつもそう言って遠慮しますよね
新田 桃音
新田 桃音
(合ってる!)
レナ
うちら、お礼したいだけなんですよ
新田 桃音
新田 桃音
そういうの、余計だから。無駄なお金使わないで
レナ
新田さん、本当に優しいんだから
新田 桃音
新田 桃音
ふん。ウザ
私はレナを無視して、自分の席に向かう。
三条くんの隣に座ると、一気にドッと汗が吹き出す。
三条 彬
三条 彬
すごいじゃん、新田。大分それっぽかったよ
新田 桃音
新田 桃音
つ、疲れた……
新田 桃音
新田 桃音
本当なの? こっちの私って、こうなの?
三条 彬
三条 彬
そうだよ
新田 桃音
新田 桃音
絶対に、その内ボロが出ると思う……
三条 彬
三条 彬
大丈夫。その時は、俺がフォローするから
新田 桃音
新田 桃音
ありがとう……
新田 桃音
新田 桃音
(本当に優しい)
新田 桃音
新田 桃音
(優しすぎて、困るな……)
新田 桃音
新田 桃音
(ドキドキする)
お昼の時間は、紗奈と一緒に食べた。
ママが持たせてくれたお弁当は、くまと猫のキャラ弁で。
びっくりしたけど、見慣れているらしい紗奈は「今日も可愛いね」と、褒めてくれた。
ママが私にお弁当を作ってくれた事実が嬉しくて、胸がいっぱいで、味はあまり分からなかった。

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