結局、三条くんとずっと保健室で話をしていて、授業を一時間サボってしまった。
三条くんが教えてくれた、こっちの私。それは……
一緒に教室に戻ると何かを言われるかもしれないからと、三条くんは先に自分の席に着いている。
私は心の中で気合いを入れて、教室の扉を開けた。
早速駆け寄ってきたレナとナナミに、ビクッとたじろぎながら、私はキリッとした表情を作る。
先ほどの、三条くんとの会話を思い出す。
そう思い、助けを求めるように、三条くんの席を目で探し当てる。
三条くんは「うん」とうなずいて、左手の親指をグッと立ててくれた。
ツーンとした態度を取りながらも、心臓はバックバク。
正に早鐘。
目で訴えると、また同じく立てた親指が返ってきた。
私はレナを無視して、自分の席に向かう。
三条くんの隣に座ると、一気にドッと汗が吹き出す。
*
お昼の時間は、紗奈と一緒に食べた。
ママが持たせてくれたお弁当は、くまと猫のキャラ弁で。
びっくりしたけど、見慣れているらしい紗奈は「今日も可愛いね」と、褒めてくれた。
ママが私にお弁当を作ってくれた事実が嬉しくて、胸がいっぱいで、味はあまり分からなかった。















編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。