計らせたくない!という勝利くん。
風磨くんが計らせてくれないと言ってはいたものの、ストレートに伝えても計らせてくれないとは………
この提案、飲んでくれるのか………
私と勝利くんの間に沈黙が流れる。
渋々………といった感じで勝利くんが折れた。
ポケットに入れていた腋窩体温計を取り出し、勝利くんに渡そうとするが、私は手を止めた。
私の発言に拍子抜けしたのか、ぽかんとしている勝利くん。
ぽかんとしている間に勝利くんの脇に素早く入れる。
ちょっと拗ねたような勝利くんの声が聞こえた。
嫌がる子どもに申し訳ないと思いながらも歌を歌ったりふれあい遊びをしたりして気をまぎらわせながら計っている。
私の言葉を聞いて少し勝利くんの表情が明るくなった気がした。
体温計が測定完了の合図が鳴ると体温計を取り出す勝利くん。
勝利くんからお礼を言われてしばらくすると健人くんから夜ごはんの準備が出来たことを知らせる通知が来た。
ごはんの準備ができた旨を伝えて一緒にリビングへ向かった。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。