風磨side
仕事から帰ってリビングに着いたら立っている翔くん。
そして2mほど離れたところにちょこんと正座をする勝利とあなたちゃん。
ただ事ではないと感じた俺は静かにその場を去ろうとするが……………
翔くんに見つかってしまった…!!
返事を返すと俺の方を向く2人。
今の2人に俺はどのように映っているのだろうか。
ただこの2人の雰囲気から俺はデジャブを感じた。
この空間にいるのは耐えられない。
でも理由をつけて部屋に戻ろうにも、部屋に戻る理由がない。
翔くんの言葉に肩を揺らす2人。
息がピッタリだ。笑
勝利が言おうとしたのを黙らせる翔くん。
そして2人に何か言っている。
本当に過保護だと感じた。
でもこんな翔くんを見たのはあなたちゃんが来てからだ。
いつもは後輩にとっても親切なのに、あなたちゃんが絡むだけでこうも過保護になる。
嵐兄さんからしたらいつもの事かもしれないが、こんな翔くんは見たことがなかった。
新鮮だった。
俺にも妹がいるが、俺が翔くんと同じようにしたって余計によそよそしくなるだろう。
きっと俺たち以外は知らない翔くんの素顔だと思う。
俺が話しかけると、時計を確認する翔くん。
夜ごはんの支度する時間が迫っていた。
翔くんの合図で足を楽にする2人。
それぞれ感想を言い合う中、翔くんは話が聞けてご機嫌なのか鼻歌を歌いながら夜ごはんの支度をしていた。
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。