潤side
あなたちゃんの部屋の前に来た。
言い出しっぺの健人が部屋の扉をノックするとあなたちゃんが中で返事をした。
あなたちゃんが部屋に俺たちを入れる。
………なんか、こういう所が無防備だなと感じるが、俺たちのことを信頼してこそのことだと思い、部屋に入る。
部屋のローテーブルの前に座ると、俺たちより少し遅れて来たあなたちゃんが俺たちの前にお茶を出してくれた。
ここまで計画的に行動していた健人がここに来て言葉を濁す。
きっと、どう切り出せばいいか悩んでいるのだろう。
健人の代わりに聞いてみるが、ストレートすぎたのかもしれない。
現にあなたちゃんは隠し事をしていないと言う。
自分の聞き方が悪かったのかもしれない。
さすが健人!
俺が会話に詰まると即座に助け舟を出してくれる。
健人の言葉を聞いたあなたちゃんがハッとした表情をしたが、話したくないような様子がうかがえた。
再び沈黙が訪れた
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。