リビングに行くと既にみんなが揃っていた。
席についてごはんを食べる。
風磨くんたちから日中の勝利くんについて詳しく聞かれ、甘えん坊になった話をすると勝利くんは顔を真っ赤にして照れていた。
櫻井家の生姜焼きは好評で、あっという間になくなった。
どうやら明日も早くから仕事があるようだ。
みんなの楽しい話し声を聞いていたらお兄ちゃんが傍にやってきた。
小声で話しかけてくる。
確かに少し頭が重い感じはしていたが、どうやら気のせいではないようだった。
打ち込んだ画面を見せると少し難しい顔をするお兄ちゃん。
勝利くんのが移ったとは完全に言いきれないが、今日一日一緒にいたから否定することもできない。
平熱は35℃前半。夕方になると熱が上がりやすいと言われるが、37℃が出るのは比較的珍しい。
お兄ちゃんがそう言って私の返事を待たずに腕を引っ張って部屋に連れていく。
部屋につくと、額に冷えピタを貼られベッドに寝かされる始末。
少しの変化にも気づいてくれるからお兄ちゃんのことを本気で嫌いになれないと感じたのだった。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。