勝利くんにお粥を完食してもらい、ご機嫌なあなたです。
キッチンに着くと、早速お粥作りに使った器具を片付ける。
お昼時だが、あまりお腹が空いていなかったためシリアルで簡単に済ませる。
夕食の下準備をするために冷蔵庫を物色すると豚バラと舞茸、玉ねぎが入っていた。
舞茸を入れると肉が柔らかくなるため、櫻井家の豚の生姜焼きには舞茸がつきものだった。
袋に材料と調味料を入れ、揉み込む。
大体混ざったと感じたら後は焼くまで冷蔵庫に入れておく。
様子を見ることと、夜ごはんのリクエストを聞くため、勝利くんの部屋に行く。
部屋の扉をノックして入ると気持ちよさそうに寝ていた。
どうやらまだ薬が効いてくれているのか当分は起きそうにない。
風磨くんから預かった腋窩体温計をまた取り出して勝利くんの脇に挟む。
気づかれないように腕を押さえながら顔にかかっていた髪を分ける。
体温計の写真を風磨くんに送る。
すぐに既読がついて報告と看病ありがとう、と連絡がきた。
勝利くんの声に反応すると寝ぼけているのか声が甘えたモードのようになっていた。
体調が良くなったことに対して安堵したのも一瞬で勝利くんに腕を引っ張られて布団の中に入っていた。
より強く抱きしめられ、力では勝てないと悟った私は潔く負けを認めたが勝利くんが眠ったのを確認して健人くんに帰ってきたら勝利くんの部屋に来てほしい、と救助要請を送った。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。