1週間経ったある日
たまたま寄った本屋さんで
モトキくんと会った
漫画でしょ?
って笑うから
(図星だったけど)
違う!参考書!って
意地張った
特に言葉はなかったけど
会計が終わるのを
待っててくれて
一緒に帰るっぽかった
やった!嬉しい…
自然と顔がニヤけた
店を出ると
あ…
と
モトキくんが呟いて
足が止まった
視線の先には
女の子がいて
私はすぐに理解した
あれが
モトキくんの好きな人だ
チラッと
モトキくんの顔を覗くと
すぐにくもった
向こうを見ると
女の子の後ろから
男の人が追いかけて来て
2人は一緒に歩き出した
参ったな…
モトキくんが呟きながら
不自然に笑った
頭をぽりぽりとかいて
どうやったら
諦められるんだろなって
私に笑った
胸が締め付けられた
震えながら
時間だよ…時間…
私は
小さく呟いた
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。