なんかね…
何でもないって言ったけど
今のモトキくんに
さっきのことが
言えるような気がして
私はゆっくりと話し始めた
最近、いいことなくて
結構落ち込んでたんだけど
私にはない物を持ってる人に会って
なんか元気出たの
…ただそれだけ、あはは
恥ずかしさもあって
つい、へらへらしてしまった
そしたら
それって好きな奴?
って
真顔で聞いてくるから
まさか、ないない!
ただの…知り合い?みたいな
って
軽く笑って答えた
そっか…まぁ
元気そうで良かった
って笑うから
うん、大丈夫
って答えた
モトキくんと
別れてから
携帯を見ると
メッセージが一件
届いていた
シルクくんからだ
正直
ちょっとドキドキした
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!