私はさとみくんに言われたことに傷付いた。
というより怒った!プンプン!!
男に振られたとかふざけんなよ!
今まで好きな人もできたことないもん!
まぁ、それはその辺にポイッと置いといて.......
私はさとみくんにガツンと言ってやった。
これでもうやめてくれるはず。
良かった......
これでもう苦しまなくていいんだよね......
話にならない。
この人達は私の何を聞いてたの?
もうこれ以上は無理なんだってば!
私を......楽にさせてよ.......
私の......1番聞きたくなかった言葉.......
私は.......もう頑張ったよ!
必死にこらえたんだよ......
あ.....感情を乱しちゃった。
こんなに喋ったのも久しぶりだな......
私は我慢するのが得意だったから.....
笑顔を作って、適当にやり過ごして.....
虐待のことやイジメの事なんてバレないと思ってた。
けど、自分から言っちゃうなんて......
アハハ.....
もう笑えてくるよ。
もう絶対に笑顔は崩さない.....
心配と迷惑をかけるから......
そんなこと.....初めて言われた......
どうしよう......
もう辛い思いをしなくていいなら嬉しい。
でも、迷惑がかかるから......
か.....可愛さに負けた....
なんでだろう?
みんなの顔が赤いような.....
まぁ、気のせいでしょう!
そう聞くとトコトコと莉犬くんが近づいてきた。
莉犬くんは私の耳に口を近づける。
あっ!ホントだ!
気づかなかった...
でも、耳元で言う必要なかったような.....
まぁ、みんなにバレないようにしてくれたのかな?
じゃあお礼しなきゃ!
私も莉犬くんの耳に口を近づけた。
私は気を取り直してもう一度そう聞いた。
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編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。