第14話

~⑭~
1,449
2020/09/13 14:14
口から漏れたため息は、下に落ちていった。
残るわけでもなく、ただ消えた。
全員分を作り終わると、髪の毛だけは拭いておこうと首にかけてあったタオルでガシガシと拭いた。
侑や、治とは違う真っ黒な髪の毛
私も治のような銀に。
侑のような金に。
けれど生まれてきた頃には既に真っ黒だった髪の毛は染めることなく現在。
切り揃えられた髪の毛は、昔から変わらない
宮 あなた
宮 あなた
休憩でーす、
足で雑に扉を開けると、ボールを直して駆け足で来た侑。
はい、と渡そうとすると
その手はがしりと掴まれた
宮 あなた
宮 あなた
ちょっと、早うとってーや
宮 侑
宮 侑
お前、何されたん?
侑は私が持っていたカゴとドリンクをリンに渡して、腕を掴んだまま体育館の外へ弾き出す
ギリギリといまにでも腕が折れそうな痛み。

言い訳をすれば良かったのか。

否、きっとしても殴られとるだけやった
宮 侑
宮 侑
あなた
いつもより低めな声に、ギャップを感じる。

萌える、なんて言ってる暇はないけど
宮 侑
宮 侑
お前何されたんや。
匂いもドリンクやろ、自分からぶっかけたんか?
宮 あなた
宮 あなた
そうや。
宮 侑
宮 侑
…ほんまか?
宮 あなた
宮 あなた
おん
じー、と見られてつい目を逸らそうとすると、暖かく豆のできた手で頬を包まれた。
宮 あなた
宮 あなた
…ごめん
私がそう言うと
宮 侑
宮 侑
おん。
と言った





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