腕の痛さに、我慢できなくなって痛くない左手で治を押した
左手を掴まれて、咄嗟に右手を背中に回した
襲われるで、と関係なさそうに言って私の右手を思いっきり握った。
歪んだ顔に気づいたのか、治は袖のボタンを器用に外していく
それに気づいた侑とリンも足を止めて、じっと見ていた。
二の腕にかけて、青いあざが腕にくっきり残っていた。
自分で見ても気持ち悪いのに。
治はその痣を指先でなぞって、ワザと押した。
その痛さに反射的に手を引っ込めてしまう
治はリンに氷を持ってくるように伝えて、私を逃さまいと見つめた
リンがいなくなってから、急ぎ足で向かってくる侑が私の頬を抓った。
廊下中に響いて、周りがなんやと見てくる
もうホンマにやめて、と意を込めて
近寄ってきた顔を抑えた
最初は治が怒鳴っていたのに、
今は侑が顔を真っ赤にして怒鳴っている。
リンが持ってきた氷で腕を冷やされて、侑に問われた。
違うやん
なんでそんなこと言うん?
私のせいじゃない
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編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。