第14話

14話
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2022/01/30 10:39
サクラを保健室で寝かせて先生に報告した後、私は何も考えず刀也くんと行動していた。



刀也くんは体育館近くの自販機で飲み物を選んでいる。
剣持刀也
んー…
鋭い目で自販機のラインナップを見つめながら、飲み物を選んでいるようだった。

そんな熟考する?
ふと、私は刀也くんの隣に並んでみる。


…。



2年前、私と刀也くんはそこまで身長の差は無かった。

だけど今は見上げないと目は合わないし、何より体格も随分としっかりしたように思う。
あなた
なんか、大きくなったね
男らしくなったというか。
剣持刀也
あなたこそ、なんか小さくなりましたね
あなた
なんでよ
ガタン、とペットボトルが自販機から落ちる音が聞こえた。
剣持刀也
これ、どうぞ。
刀也くんはペットボトルを私に差し出した。
剣持刀也
温かいお茶です。
お腹の調子悪いって言ってたから
思わずびっくりして、体が熱くなった。
凄く悩んでいたのは、私の飲み物を選んでいたからだと気づいたからだ。
あなた
あ、ありがとう
飲み物を受け取ると、二人で近くのベンチに座った。

お互い、正気を戻したのか中々目を合わすことはなかった。
あなた
部活に戻らなくて大丈夫なの?
剣持刀也
さっき友達に連絡入れたから大丈夫ですよ
剣持刀也
あなたとも久々に会えたし
少し笑みが溢れながら刀也くんはそう言った。
なんかこう言うのを何気なく言える人だったな、なんて思い出に浸ってしまう。
あなた
…サクラとはどういう関係なの?
剣持刀也
どうもこうも、他校の練習相手です
私と刀也くんは、まるで目の前の自販機に語りかけているかのように目を合わせなかった。
あなた
私がこの高校なの、言ってなかったね
剣持刀也
中3の3学期はほとんど授業もありませんでしたしね
剣持刀也
こんな再会の仕方、流石に驚いたけど。
そんなことある!?って
私は思わず吹き出してしまう。

懐かしいな、この感じ。
剣持刀也
なんで二階堂さんのこと知ってたの?
あなた
バイト先が一緒なの
剣持刀也
へえ〜!どこで働いてるんですか?
やっと目が合ったと思えば、刀也くんはニヤニヤしながらこちらを覗いていた。
あなた
言、わ、な、い!!!
刀也くんは少し甲高い声で笑うと、立ち上がった。
剣持刀也
部活の子が迎えに来たようです
刀也くんの視線の先を見ると、体育館から剣道着を来た男の子が手を振って駆け足で寄ってくる。
ツバキ
お〜い剣持…ってだれその子!?!
剣持刀也
あなた、コイツはツバキ。良い奴だよ
私も急いで立ち上がる。
あなた
はじめまして、あなたって言います。
刀也くんと同じ中学だったの
ツバキくんは「なるほど〜!」と両手を合わせた。
ツバキ
いやー!なんか二人ともお似合いだったから、
剣持クン俺の知らない所で彼女でもできたのかと思ったよ〜!
あなた
あ、あはは…

少し、その言葉に戸惑いを見せてしまった。
私は苦笑いすることしかできなかった。
剣持刀也
あなたは…


刀也くんと目が合うと、こちらを見て微笑んだ













剣持刀也
僕には勿体無い女性です。

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