「はぁ...はぁ……間に合うかな」
走りながらポケットに入れたスマホを取り出して見ると、電車が出発するまで5分に迫っていた。
さらに走るスピードを上げて駅に向かった。
「は、肺が死ぬううううううう」
自分の雄叫びとともに。
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「は...あ.....間に合った」
あの後、死ぬ気で走ったおかげでなんとか発車のブザーが鳴り響く電車に乗ることが出来た。
この電車に乗らないともう完全に遅刻決定になってしまう。
高3の夏、進路に関わる大事な時期に近くはきつい。
そのまま電車に揺られて30分
学校のある最寄り駅で人に流されるように駅のホームに降りた。
もう一度スマホで時間を確認する。
ここから学校まで徒歩10分
なんとか間に合いそうだ。
「よし行く.....あ、」
ここで私はあることに気がついた。
「日焼け止め塗り忘れた.....」
朝、急いでいたせいで夏の必須アイテムである日焼け止めを忘れてしまった。
徒歩10分の距離でもこの日差しの中歩くのは辛い.....でももう仕方ない。
「あーあ...また焼けちゃうよ.....」
焼けること覚悟で私は日差しが照りつける道を歩き出した。
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。