第15話

STORY14
129
2018/07/26 14:28
 

電車に揺られて数十分。



とある駅で私は降りた。




私の体は止まることなくある場所に向かう。







初めて見る景色に何故か懐かしさが込み上げてくる。



訳も分からない感情でぐしゃぐしゃになりながらただがむしゃらに自分の体の行くままに走った。



長く続く 田んぼ道を抜けて……。








ふと、何故か見覚えのある道に出た、気がした。



「私……ここ知ってる?」





確か、、ここを曲がって






その先に細い坂道を少し上がるんだ。






そしてそして……、




自分の頭の中で思っている風景が次々に出てくる。







「…………きっと、ここだ」





私は、なんとなく確信していた。





きっと、ここにあると。



私の無くした全てがあるのだと。












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