一週間後
クリスマス
結局今年も彼女が出来ずにこの日を迎えてしまった
てかもう夜だし
クリスマス終わるんだけど
ばっかこれからがクリスマスでしょ
聖なる日舐めんじゃないわよ
こんな俺を労わってくれる花峰さん、この後ハンバーガー食べに行きませんか
ごめん先約ある
は?
男?
ご想像にお任せします
お前は仲間だと思ってたのに
勝手に仲間にしないで
先輩、今日も賑やかだね
そうだな
そろそろ切り上げて帰るか
だね
お、帰んのか?
はい
気をつけて帰ってね
こっちの台詞ですよ
舐めんじゃないわよ、こう見えて合気道やってました
お強い
.
もうクリスマスかぁ...
早いね
そうだな
帰りどっか寄ってく?
いや、金が無い
奢るよ?
それは悪い
そっか残念
そういえば、そのマフラー
黒瀬くんのだよね?
ああ
返さなくていいと言われて、有難く使っていたのだが
最近凄く寒くなってきたし返そうと思って
まあ、返すにもかかわらず巻いてきてしまったのだけど
そういうとこあるよね
悪いところだ
この事話したら、明はどんな顔をするんだろう
怒られるかな
遙はふっと軽く笑った
...っ
あ
体育館、電気ついてる
悪い、行ってくる
先に帰ってくれて構わない
そう言って体育館の方に歩き始めた
...
待って
はる...!
歩いていく遙を走って追いかける
わっ
後ろから遙を抱きしめる
どうした
具合でも悪いのか
...嫌なんだ
え?
はるが、黒瀬くんの話をしてるのが
黒瀬くんの話を振ったのは僕だから、おかしい事を言ってるのは分かってる
でも、僕じゃない奴の事で笑ってるはるを見るのは
嫌だ...
柚季?
不快にさせてしまったのなら謝る
けれど、どうして...
好きなんだ
ずっと前からはるのことが好きなんだ
...え?
ずっと言うのを我慢してたから
許して
遙のマフラーを軽く緩め、首筋に唇を近づける
そして、ピリッと痛みが走る
いっ...
な、何したんだ
別に
はるは知らなくていいよ
はる、こっち向いて
なん...
後ろを振り向いた瞬間、柚季の顔が近くにあって
あと数cmで唇が触れる...
ゆず、き...?
ときだった
おい
テメェ、何してんだ
明...!
明の顔は今まで見た事が無い程、怒りを露わにしていた
別に、見たまんまだけど
ふざけんな
ふざけるも何も無いでしょ
キミとはるは付き合ってる訳じゃないし
キミに関係無いじゃないか
あるから言ってんだよ
明が遙の腕を引いて抱き寄せる
わっ
今回は見逃してやる
早く行け
...
...全く、横暴だなぁ
まあいいや、僕的には満足だし?
は?
じゃあね、はる!また明日
あ、ああ!
...
遙、大丈夫か?
なんか変な事されてないか?
大丈、夫...
(じゃない!)
(告白?柚季が、俺に?)
(いつから?ずっと前ってどれくらい前だ)
(なんで気づかなかったんだ)
(柚希は今までどんな気持ちで...)
(最低だ)
遙?
あ、ああ、悪い
あ、そうだ
マフラー返すよ
お前、返すのに巻いてきたの?
遙はマフラーを外した
...は?
貸してくれてありがとう
って、明?
...それ
アイツにやられたんだよな
やられたって、何を...?
首
首...
あ
(あの時...まさか...)
で
何があった
べ、別に特になにも
言え
...!
喉の奥がヒュッと鳴ったのが分かった
こんなドスの効いた明の声は聞いた事が無い
ご、ごめん
ごめん、なさい...
...いや
今のは俺が悪い
ごめん、感情的になった
違うんだ、明は何も悪くない
ただ、えっと
告白されたんだ、柚季に
...そっか
言いづらかったよな、言ってくれてありがとう
でも、そっか
俺、自惚れてたみたいだ
え?
きっと遙は自覚してないだけで俺の事好きでいてくれてるんだろうなって思って、自覚させようと頑張ってたけど
無駄だったんだな
そ、それは違う
何が違うんだよ
どうせ香埜にも返事返してないんだろ
俺への返事が決まっていたら、香埜の告白にもすぐ答えられてたはずだろ
...っ
ハァ...
一人で思い上がって勘違いして
馬鹿みたいだな、俺
明...
ごめんな
そもそも、俺からの告白自体が迷惑だったんだよな
そんな訳...!
...前も言ったけど
返事が来ないのって、すげぇ不安なんだよ
急かしてないなんて嘘だ
早く宇津木の答えが聞きたい
明は悲しみに歪み、酷く苦しそうな顔をした
...あ
悪い、カッとなりすぎた
...頭冷やすわ
あかり...
じゃあな、宇津木
待っ...!
追いかけなきゃ
でもなんて?
追いかけたところで、アイツになんて言葉をかければいいんだ
...
優しい明に、あんな顔をさせてしまった
...宇津木って、なんだよ
その場に座り込む
ごめん...ごめん...
ごめん明...ごめんなさい
どれだけ謝罪しても、彼の耳には届かない
...俺、最低だ
でも、俺には
ろくに友達を作ってこなかった俺には
どこまでが友達への好きで、どこからが好きな人への好きなのか
分からないんだ...
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