一一♪......♪*゚
朝の7:15にセットしたスマートフォンのアラームが鳴り響く。
私は昨日置いたであろう場所に手を伸ばした。
聞き慣れた声が頭に飛び込んできた。
バッと体を起こすと、そこには見慣れた顔が、憎たらしい笑顔であぐらをかいていた。
この憎たらしい笑顔の彼の名前は涼瀬 櫂。
一一ボフッ
私は櫂に向かって枕を投げた。
顔面直撃。
櫂はまたニコリと笑った。私はその笑顔にまた腹が立ってきた。
パッと出されたスマートフォンのロック画面の時間は7:34。
私は慌ててベッドから降りた。
そこには白ご飯、お味噌汁、卵焼き、お茶と、健康そうな朝食が並べられていた。
私が食べられる絶妙な量の朝食。
私は座って手を合わせた。
私はお味噌汁を口に含み、小さく頷いた。
櫂は顔を赤らめながらまたニコリと笑った。
朝食を済ませ、洗面台に行った。
歯を磨こうと、歯磨き粉を取った時、キッチンから水を出す音が聞こえた。
櫂が、食器を洗おうとしてくれてる様だった。
私はキッチンにいる櫂に向かって叫んだ。
私は軽くため息をついて、支度を始めた。
歯を磨き、顔を洗う。
その場で制服に着替えた。
うちの制服はそれなりに可愛いと思う。
グレーのチェックのスカートにワンポイントで学校のマーク。
まだ真新しいカッターシャツの襟には日本の黒いライン。
大きめの赤いリボンを付け、赤いジャケットを羽織った。
ジャケットの胸ポケットには校章のワッペン。
指定の黒い靴下を履いた。
自分の部屋に戻ると、ヘアアイロンの電源が付けられ、机の上に置かれていた。
櫂がニヒヒと笑った。
ヘアアイロンが熱するまでの間、軽くメイク。
ファンデーションと色付きリップ、チークを塗って完成。
じーっと見てくる櫂。
櫂の左目を指差しながらそう言った。
私の指を掴んでそっぽを向いた。
櫂の目は本来オッドアイ。
オッドアイとは両目の瞳の色が違う事。
櫂は左目が青で右目が焦げ茶
ハーフとか、視力に関して障害とかは全くない。
それがコンプレックスらしく、茶色いカラコンを入れている。
ヘアアイロンがピピッと鳴った。
髪の長さが肩につく位の髪は跳ねまくっている。
アイロンを当て、ストレートにした。
準備完了。
私達は部屋を出た。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!