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ピンポーン
… 誰だろう 。
まぁ ,郵便の人だろうけど 。
そう思ってドアを開けると ,
テヒョン がいた 。
「…っ!」
テヒョン『あ、の…あなた、ごめん』
「…帰って」
テヒョン『え…?』
「今日は、顔見たくない。 1人に…なりたい」
テヒョン『…でもっ……………ごめん、またあしたな』
そう言って ,テヒョン はドアを閉めて自分の家に向かっていった 。
… 言い過ぎたかな 。
今更ながら ,そう思って
気付いたら ………
テヒョン を追いかけていた 。
ガシッ
テヒョン『……え? あなた?』
「…あのっ、ごめんね…言い過ぎた」
テヒョン『ううん、俺が悪かったから』
そう言いながらも ,泣きそうになってる テヒョン
なんか … 可愛いな 。
テヒョン『あなた…好き。大好きだよ…』
そう言って優しく抱き締めてくれる 。
なんだかんだ言って ,やっぱり テヒョン にはかなわないんだな 。
「うん…私も、好きだよ…」
それから ,テヒョン の家に向かった 。
✱✱✱
「おじゃまします」
テヒョン『俺、ちょっとトイレいってくる』
「あ、うん、わかった。」
✱✱✱
テヒョン の部屋に来ると毎回思う事がある 。
… なんで ,壁がボロボロなのか 。
この時の私は ,この壁がボロボロな理由なんて大して気にしていなかった 。
テヒョン『…あなた、…あなた!』
「…え? あ、どうしたの?」
テヒョン『いや、何回呼んでも返事しないから』
「ごめん、ぼーっとしてたㅎㅎ」
テヒョン『疲れてる?』
「…うん、まぁㅎㅎ」
テヒョン『じゃあ、僕が癒してあげる』
珍しく ″ 僕 ″ と言っていた テヒョン は
私を優しく包み込んでくれた 。
… 温かくて ,安心する 。
「ありがとう」
テヒョン『ついでにこれもっ』
そう言って ,チュッ と ポッポをしてきた 。
「…///」
テヒョン『照れてる? 可愛い♡』
「からかわないでっ」
テヒョン『だって、可愛いんだもーんㅎㅎ』
「テヒョンの方が可愛いよ♡」
テヒョン『いや、僕はかっこいい』
「自分で言う人には言ってあげませーん」
テヒョン『嘘嘘っ、僕ぶさいくっ!』
真に受けて ,素直に ″ ぶさいく ″ と否定しているところも可愛い 。
「よしよし、テヒョンはかっこいいよ」
テヒョン『// 子供扱いしないでっ』
「何言ってんのテヒョン子供でしょ」
テヒョン『でも、もう18歳だしぃ!』
ちょっと拗ねてるところもまた ,可愛い 。
✱✱✱
「じゃあね」
テヒョン『うん、また明日』
今日も家まで送ってくれた テヒョン 。
部屋に着く頃にはもう ,
怖いという感覚は消えていた _ 。
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編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!