(🐰)
目が覚めると天井が白くて「あぁ、生きてるんだ」と思った
隣に目を向けるとあなたが俺の手を掴むように寝ていて、うっすらと涙の跡があって
「あぁ、また心配かけちゃったなぁ」
頬を伝う涙の跡を撫でると、あなたが目を開けた
そこには1番会いたくてたまらなかった
あなたの姿があった。
酸素マスクを曇らせながらか細く声を上げるグクの姿に何度も夢なんじゃないかって目を擦ったけど
酸素マスク越しでもわかるあのクシャッと笑う笑顔に思い切り私はグクに飛びつくと、
ほんのりグクの匂いがして、首にかかる吐息が弱々しくて、でも生きてるんだって思うと嬉しくて
グクに抱きついたまま何度も名前を呼ぶとその度に「ん?」って顔を傾げる
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!