第120話

*(118)
9,241
2020/11/25 08:10
ぐく
ぐく
「あのさ、あなた。少しだけ付き合える?」
ぐく
ぐく
でも無理しないで!!今度でもいいから」
You
You
「ううん、大丈夫だよ」
ぐく
ぐく
「寒いからこれして」


グクは自分が巻いていたマフラーを私にかけてくれる
ほんのりグクの匂いがして、所々汗ばんでいてここに来るまでどれだけ心配させたか伝わる

車乗るとすぐに寝ちゃうのはあなたの癖
「大丈夫だよ」と言う割には車に乗ってすぐに俺の左手をギュッと握ったまますやすやと寝ている


こうしてみているとまだまだ18歳の子ども


俺は自分の右ポッケの白い箱をしっかり確認して深呼吸をして、あなたを起こす
You
You
「ん~?ここって〇〇公園?」


あなたの地元でよく施設に行ったあとに来る

夜景の綺麗な公園
ぐく
ぐく
「あなた、誕生日おめでとう」
ぐく
ぐく
「産まれてきてくれて、出会ってくれてありがとう」


そうか、今日は私の誕生日だった
今日のことですっかり抜け落ちていたけど
You
You
「ありがとう、忘れてたよ」
ぐく
ぐく
「子供が産まれると、自分のことが後回しになりがちだから今年はしっかりお祝いしたくて」
ぐく
ぐく
「色々考えてたんだけど結局こんな所でごめんね」



空には複数の星が出ていて、完璧なロケーション
You
You
「あ、見て。流れ星!!」
You
You
「ぐく、ほら願い事してっ」



俺の願い事は……




ただひとつあなたと子どもと一生一緒に居たい。





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