第3話

第二話「鏡の向こうにいる男その名もkn」
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2022/03/05 17:19
『え……………?』


突然の事で何が起きたのか把握しきれずじっと互いを見つめ合うような状態になる。

この静寂を切ったのは鏡の向こうにいる男だった

「目…めっちゃ綺麗ですね」

ん?目?俺の目?他国の総統のら〇だぁくらい死んでるって言われてるのに?てかなぜ目?


『じゃないわッッ!!え?!鏡の向こうに人?!え?!どなた?!?!?!?!』

「あ!失礼致しました!!ア……knsmです!!!あなたもしやあの異世界人の方?!」

『おーknsm…俺はut、d先生って呼ばれとるで!!……じゃなくて!!ん?異世界人???ちょっと待てや話に全然ついていけん!!!(てか声でか…)』

「分からないってどう考えても始まりの世界の方ですよね?!現にこうしてクリサンセマムの鏡の向こう側にいるんやからな!!」

『いやわからんわッッッ!!!てか、俺からしたらお前も十分異世界人(?)やからな?!』

「ハッッッ!!ほんまやん!!d先生…やったか?お前天才やん!!!」

『いやあそれほどでも〜……じゃなくて!!
knsm…なんか長いからsmでええわ!!!sm今どういう状況なのか教えてくれへんか?!?クリサンセマムの鏡?異世界人?始まりの世界??何が何か分からんわ』

「なんやd先生始まりの世界の人間は何も知らんのか?しゃーねーな!!俺が一から教えたるわ。よく聞いとけ?」

『お、おなしゃす』



まずこのクリサンセマムの鏡には伝説があるんや___________。


『なんか始まったな。』

静かにせい!!!w


ん"ん"ッッそしたら話すで?

『おう。』



昔世界や星、全てを創った神がこの地にはいたという。
神は初め自分の創った世界を愛しひっそりとみなの暮らしを眺めて暮らしていた。

けれどもある日。突如世界は雪に包まれていき、空には穴が空いた。

穴からはこの世の生命を全て凍らし殺す恐ろしい精霊が空から生まれようとしていた。

精霊が産まれてしまったら世界から全ての生命がなくなってしまう。もしかしたらそれ以上のことが起こってしまう。それを察した神は人間の前に姿を現し精霊を穴に帰すことを決意する。

今まで人間たちには神の存在など知らせていなかった。だからもし神が姿を表した時には神の今までの穏やかな日々は帰ってなどこないのは言わずもがな分かっていた。

けれどもこの世界を愛していた神は自身の日常を捨ててまでこの世界を守るため力を振り絞って精霊を穴へと帰した。

帰してから数ヶ月。初めの頃は人間は神のその力に感謝し、崇拝した。けれども数ヶ月たった頃から一部の強力な力を持っていた人間が神の力を求めるようになった。

人間の悪い欲は災悪を招く。
日に日に強くなるその欲によってまたあの穴が開こうとしているのに神は気づく。
神は愛するこの世界が平和であるために自身がこの世界からいなくなることを決意する。

そして神は自分の逃げ場所として新しい世界を創った。もう二度と穴が開かないような。自分が出なくても大丈夫なほど危険を無くしたもうひとつの世界。

けれども神はやはり自分が初めに創ったあの世界を心から愛していた。だから、この世界とあの世界の移動と様子を見る手段としてクリサンセマムの鏡を造り心の底から信頼していた1人の青年に鏡を預けた。

青年には初まりの世界。神には二つ目の世界。
2つの鏡は世界の平穏を守るために他の人間が決して見つけることない場所へそれぞれ隠した。

そして、二つ目の世界から今でも神は自分の愛した平和に戻った世界を優しく見守ってるとさ



っていう話や。あと他の話だと鏡から見て俺のいる方は神が創った2つ目の世界。d先生のいる方が始まりの世界と言われとる。」

『つまり、この鏡はその伝説に出てきた二つの世界を繋ぐ鏡っていうことで、俺のいるここがそのーーー始まりの世界??ってことか…?』

「せやで!で、まあ……色々あって俺はこの鏡を見つけて眺めてたら!!」

『俺が出てきたと。』

「そういうわけや!!!」

『無茶苦茶やwww』

「そんなもんやろ」

『wwwwww』

「wwwwww」

『たかが伝説とはいえそっちでは有名な話やないの?』

「そやな、子供も当たり前に知ってるような話やな。」

『にしてはsmお前驚かないんやな…伝説の話が本当やったんやぞ?』

「あーまあそうかもな。俺は昔大切な人からこの鏡のこと聞いてて始まりの世界も全部あると思っとったもん。」

『ん?お前も人から聞いたんか?』

「ん?d先生もなんか?」

『ああ……昔な。』

「お、そうか。」

『………………………………』

「………………………………」


また、静寂が俺たちを包む。
何か話したいのに言葉が詰まってしまう。先程まで間なく話していたのに。いや、その方がおかしかったのだと思う。初対面、ましては突然現れた異世界人の男とここまで話が出来てる事の方がかなりおかしいのだと思う。

とはいえ、smと話すのはどこか懐かしく初めて話したような気がしなかった。
そんでもって不思議と安心してしまう。




伝説の鏡。兄さんはなんでこんな凄いものを知っていて、なんで俺に教えたのか。
そんなことを考えるとsmが口を開く。

「なあ、d先生。なんかまだ信じてなさそうな顔してるし、こっちの世界来てみてや!!!」

『…………………………………………ん?』

「だから!!d先生こっちの世界に遊びに来てや!!!!」

『は、はぁあああああああッッッッッッ?!?!?!』

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