3人は、ファミレスで昼ご飯を食べている。
パワーは手掴み食べ、
なんとか箸で食べようとしていたデンジも、
今にも箸を投げ捨てそうである。
吉田、合流。
デンジとパワーを指さすあなた。
真顔で吉田を見る2人。
吉田が微笑む。
返事もせず、ただジーッと見つめるデンジとパワー。
あなたが指差した隣の椅子に座る。
ようやくデンジが口を開いたかと思えば、
大きくため息をつくあなた。
あなたは頬杖をついて、吉田と反対の方を向く。
その小さな呟きに目を見開く吉田。
流石に気まずくて触れてこないと思っていた。
店内の客の視線が刺さる。
吉田は、向こうを向いているあなたの様子を見ながら言う。
混じる本音を、携帯をいじりながら適当に聞き流すあなた。
目も合わせない。
気まずいと思ってたのは俺だけ?
気にすることでも無いって訳。
ムカつく。
吉田もあなたと反対側へ頬杖をついて、互いに外方を向く。
若干ピリつく空気の中、デンジが口を開く。
声を揃える2人。
堂々と胸を張るデンジ。
デンジは、持っていた箸の先を吉田に向ける。
店員が机の前に立っていた。
怒りを抑えた作り笑顔で。
この後どうなったかは、言わなくても分かる話。
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。
登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。