第4話

放課後の帰り道
88
2018/07/01 12:52
勉強が終わって今、
乖離くんと、冬弥くんと下校中……

私は、間に挟まれています…… 。
なんなんですか、たすけてください。
裕翔
裕翔
あれ ?あなた?
その子達は……友達?
目の前には裕翔 。
私のお兄ちゃんが立っていた 。
冬弥
冬弥
あんた だれ?
冬弥くんが睨みつけるように言った 。
乖離
乖離
まぁまぁ……冬弥くん 。
そんな、睨みつけなくても…
乖離くんが冬弥くんの手を引く 。
冬弥くんは、睨みつけるのを辞めない 。
あなた

と、冬弥くんっ
やめて……くらさいっ!!

私は、後ろから冬弥くんに抱きついた 。
いわゆる……バックハグみたいな…?
私は、必死で自分が何をしたのかもわからなかった 。その姿を、乖離くんや、お兄ちゃんは見ていた。
冬弥
冬弥
ば、ば、馬鹿 。あなた!
あなた

ひゃ!
ご、ごめんな……さい!

私は、すぐに手を離した 。
冬弥くんの顔は赤く染まっていた 。
すると、お兄ちゃんは笑った 。
裕翔
裕翔
ふふっ
面白いね、顔が真っ赤だよ 。大丈夫かい 。
そう言ってお兄ちゃんは、冬弥くんの頬に手で触れた 。そして、何かを耳元で囁いた 。その瞬間、耳まで赤く染めた 。
冬弥
冬弥
じゃ、じゃ、じゃあな!あなた!
お、俺はこの辺で帰る!
そう言って走って行ってしまった 。
乖離
乖離
じゃあ僕も失礼するよ 。
じゃあね、あなた ちゃん 。
乖離くんも行ってしまった 。
あなた

ねえ、お兄ちゃん … 。
冬弥くんになんて言ったの?

裕翔
裕翔
んー?秘密だよ 。
そういって、人差し指を口に持ってきて“しー!”と言った 。
あなた

はぁ…… 。
それより、なんで迎えに来たの… 。
いつもは玄関で待ってるのに…

裕翔
裕翔
遅かったから迎えに来たの 。
来ない方が良かった?
お兄ちゃんは、私の顔を覗く 。
あなた

だ、大丈夫だよ 。
ありがとうね 。

そう呟いた 。
はぁ……私は、やっぱり兄を…裕翔を甘やかしてしまう 。

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