勉強が終わって今、
乖離くんと、冬弥くんと下校中……
私は、間に挟まれています…… 。
なんなんですか、たすけてください。
目の前には裕翔 。
私のお兄ちゃんが立っていた 。
冬弥くんが睨みつけるように言った 。
乖離くんが冬弥くんの手を引く 。
冬弥くんは、睨みつけるのを辞めない 。
私は、後ろから冬弥くんに抱きついた 。
いわゆる……バックハグみたいな…?
私は、必死で自分が何をしたのかもわからなかった 。その姿を、乖離くんや、お兄ちゃんは見ていた。
私は、すぐに手を離した 。
冬弥くんの顔は赤く染まっていた 。
すると、お兄ちゃんは笑った 。
そう言ってお兄ちゃんは、冬弥くんの頬に手で触れた 。そして、何かを耳元で囁いた 。その瞬間、耳まで赤く染めた 。
そう言って走って行ってしまった 。
乖離くんも行ってしまった 。
そういって、人差し指を口に持ってきて“しー!”と言った 。
お兄ちゃんは、私の顔を覗く 。
そう呟いた 。
はぁ……私は、やっぱり兄を…裕翔を甘やかしてしまう 。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!